出版社内容情報
終末期医療への独自の取り組みの現場から,現代社会における医学・医療のあり方を根源的に問い直す.
内容説明
どんなに医学が進んでも、人の生と死は決して意のままにはならない。終末期医療への独自の取り組みの現場で病と死を見つめてきた医師の模索と、社会思想史の視角からの医療への問いが交錯するところに、型破りな「医学概論」が現れた。三つの講義と長大な往復書簡の形をとる対話を通じて、医学・医療のあり方を根源的に問い直す。
目次
第1部 講義(二つの授業;臨床は汽水域;ぼくの医学概論)
第2部 往復書簡(ハンセン病について;ホスピスについて;医療文化について)
著者等紹介
徳永進[トクナガススム]
1948年鳥取県生まれ。医師。鳥取赤十字病院内科部長を経て、2001年鳥取市内にホスピスケアを行う有床診療所「野の花診療所」を開設
高草木光一[タカクサギコウイチ]
1956年群馬県生まれ。慶應義塾大学経済学部教授。社会思想史専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ネギっ子gen
53
【医療の現場は「とまどう」ことの連続。医療者の思う通りにならないのは、一人ひとり個体差があるから】終末期医療の現場である「野の花診療所」の徳永進医師と、社会思想史・高草木光一教授の医療への問いが交錯する往復書簡と、医師の3つの講義。セデーション場面で。<押しつけずに、待つ。待っているうちに、家族の言葉は心の葛藤のなかで変容していきます。そして、変容していく言葉には説得力があります。医療者の側がネガティブ・ケイパビリティをもって決めつけない態度でいれば、本人や家族から最終的に心からの言葉が湧いてくる>と。⇒2024/01/31