文化大革命五十年

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  • サイズ 46判/ページ数 316p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784000613071
  • NDC分類 222.077
  • Cコード C0022

出版社内容情報

文化大革命の勝者は実権派であり,敗者は毛沢東と造反派であった.文革を通じて現代中国の真実に迫る.

楊継縄[ヨウケイジョウ]
編集

辻 康吾[ツジ コウゴ]
編集

現代中国資料研究会[ゲンダイチュウゴクシリョウケンキュウカイ]
翻訳

内容説明

文化大革命の勝利者は誰だったのか。劉少奇ら実権派は文革派の犠牲となっただけだったのか。文革発動から五十年、その歴史を冷静に振り返るとき、真の文革像が見えてくる。文革の勝利者は実権派であり、敗北者は毛沢東を崇拝する造反派であった。流血は文革終了後も続き、犠牲者数は公表された数百倍にものぼる。文革を通じて現代中国の真実に迫る。

目次

第1部 文革の起源から終焉まで(文革の予兆;文革の正式発動から全面的奪権へ;「二月逆流」と武漢事件 ほか)
第2部 ポスト文革の中国(ポスト文革の大規模な摘発・批判・審査;摘発・批判・審査運動の拡大;胡耀邦、摘発・批判・審査の拡大を阻止 ほか)
第3部 文革五十年の総括(毛沢東の文革発動の動機;毛沢東路線のイデオロギー的背景―継続革命論;文革の根本原因は建国後十七年の社会制度 ほか)

著者等紹介

楊継縄[ヤンチーション]
1940年湖北省生まれ。清華大学卒。1968年新華社記者。1984年全国優秀新聞工作者に選出。2001年新華社退社後、『中国改革』誌などの編集者。2003年『炎黄春秋』副社長。多くの著書を発表したが、次第に当局に警戒され始めた。代表作の2008年『墓碑―中国六十年代大飢荒紀実』(香港・天地図書有限公司、邦訳『毛沢東大躍進秘録』、文藝春秋、2012年)は世界的に注目され、多数の賞を受賞。だが当局の圧力は強まり2015年『炎黄春秋』誌の離任を迫られた

辻康吾[ツジコウゴ]
1934年東京生まれ。1959年東京外国語大学中国語科卒。1961年立教大学法学部卒。毎日新聞社入社。香港、北京特派員。編集委員を歴任。1985年東海大学教授、1999年獨協大学教授。現代中国資料研究会代表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

yutaro13

19
私が中国に興味を持ったきっかけのひとつが文革。あの一連の狂気が、そう遠くない過去に現実に起きた出来事ということが衝撃的だった。本書によれば文革の勝利者は実権派(官僚)。彼らは文革の責任の追及権、改革開放の主導権、改革の成果の分配権を掌握し、現代中国の支配層を形成している。本書で印象に残るのは、文革後の大規模な摘発・批判の過激化を抑え、文革中の失脚者の名誉回復に尽力した胡耀邦の姿(彼もまた後年失脚するが)。権力と資本の抑制のためには立憲民主制度が必要と説く本書の底本『天地翻覆』は、当然ながら香港での出版だ。2019/06/22

スプリント

9
いわゆる中国の権力争いです。民衆に大きな被害と経済に多大な損害を与えたことは消し去ることができない事実です。手を誤らなければ北朝鮮のように毛沢東の一族の独裁が続いていたのでしょうか?2019/03/31

Masako3

4
★★☆ 著者は元中国の新聞社の記者だが、圧力を受けて香港に移っているとのこと。さもあらん、毛沢東への個人崇拝は微塵もなく、死に至らしめられた庶民の凄惨な描写、それ以上に犠牲者数のデータが淡々と並ぶ。さて、文革の知識がほとんどない私には、登場人物の理解と共産主義で独特の言い回しでとてもハードルが高い本だった。シンプルに言えば、全体主義組織での内部抗争。2019/03/19

3
文化大革命の始まりから終息に至る10年を詳述し、文革がその後の中国にもたらした歴史的意味を解き明かそうとする本。毛沢東が「プロレタリア階級独裁下の継続革命」を実践しようと大衆を扇動し、権力の中枢にあった実力者や官僚集団を粛清しようとした大乱で、血なまぐさい闘争ののち官僚集団が勝利を収める。文革以後、世界第2位の経済大国となった中国だが、未だ政治改革は実施されていない。一党独裁と高度な集権化は維持され、経済改革は官僚集団、権力集団の利益を守るためであるとの指摘もある。現在の中国を見つめ直す機会となる本。2019/08/01

yes5&3

0
ここまで詳細なものを出版するのも読むことができるのも国の外にいるからこそで、国内にいる人たちだけこの歴史を知ることができない、という皮肉。文化大革命は構図が複雑で、崇高な目的の実現と、権力闘争が入り乱れている。上り詰めて毛沢東の側近になると命が危ない。鄧小平はぎりぎりで生き延びた。たった五十年前に戦争以上の悲惨な犠牲者を出して一体何がやりたかったのか?第3部で著者の伝えたいことが表現されていて、第1部と第2部の総括もなされている。2019/05/03

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