出版社内容情報
東アジア地域における歴史認識の共有はいかにすれば可能か。古代史研究の一国史観からの解放の道筋を探る。
内容説明
近代以降の歴史研究、とりわけ古代史は、ナショナル・アイデンティティの源泉としての役割を担わされ、現実の政治状況に深く根ざしながら展開されてきた。東アジア地域において、それぞれの「国民国家の物語」を超える古代史像を共有することはいかにすれば可能なのか。朝鮮半島を中心に古代国家の形成過程と地域文化を研究してきた著者が、東アジアの歴史学の未来を展望する。
目次
第1部 国民国家の物語(古代史にみる国民国家の物語―日本とアジアを隔てるもの;近代国家の形成と「日本史」「日本文化」の発生―新たな東アジア論のために;三韓征伐―古代朝鮮支配の言説 ほか)
第2部 出土文字資料と境界(出土史料は境界を越えることができるのか;表象としての広開土王碑文;石刻文書としての広開土王碑文)
第3部 植民地と歴史学(コロニアリズムと近代歴史学―植民地統治下の朝鮮史編修と古蹟調査を中心に;朝鮮王朝の象徴空間と博物館;植民地期朝鮮におけるマルクス主義史学―白南雲『朝鮮社会経済史』を中心に ほか)
著者等紹介
李成市[リソンシ]
1952年生まれ。早稲田大学文学学術院教授。専門は古代東アジア史、朝鮮史。博士(文学)。東アジアの古代国家の形成過程、地域文化の研究に取り組む(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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