出版社内容情報
宗教改革がもたらした西洋美術の大断層と、その亀裂に浸透していった美術家たちの水脈をたどる論集。
内容説明
人は美術に何を仮託してきたのか。その切実な関係性。
目次
序 聖俗の分断―宗教改革と美術
1 バロックの聖とイメージ(聖俗の食卓―近世ミラノ美術の水脈;レオナルドの鉱脈―ミラノ派からカラヴァッジョへ;ヴァザーリとカトリック改革 ほか)
2 日本の聖と俗(展示と秘匿;発酵するイコン―かくれキリシタン聖画考;殉教の愉悦―聖セバスティアヌス、レーニ、三島)
3 聖と死(召命と否認―伝サラチェーニ“聖ペテロの否認”をめぐって;アンディ・ウォーホル作品における聖と俗;供養と奉納―エクス・ヴォート、追悼絵馬、遺影)
著者等紹介
宮下規久朗[ミヤシタキクロウ]
1963年名古屋市生まれ。東京大学文学部卒業、同大学院修了。神戸大学大学院人文学研究科教授、美術史家。2005年『カラヴァッジョ 聖性とヴィジョン』(名古屋大学出版会)でサントリー学芸賞、地中海学会ヘレンド賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ポルポ・ウィズ・バナナ
3
◎トロンプルイユ ◎ゲルハルトリヒター 子供を抱く ◎ウォーホルは敬虔カトリック教徒でそれを軸にして作品を読み解ける ◎ムカサリ絵馬→写真は過去を志向する→絵画は未来を描くことが出来る ◎供養人形とマサカリ絵馬。一つの場所に沢山納められることで奉納者は他の多くの奉納者との連帯感を持ちわずかながらも癒しを得る ◎エクスヴォート ◎PGR2018/08/15
takao
1
ふむ2025/05/16
ふじこ
1
宮下氏自身が娘さんを亡くされているとは思いませんでした。 この世に希望はないというあとがきには胸が詰まりました…2019/04/24
takakomama
1
「聖と俗」をテーマにした、宗教改革やバロック論などの論文集。逆縁になってしまった親の気持ちを思うと、胸が締めつけられ、言葉になりません。2018/09/04
杉戸美緒
0
http://booknavigator.jp/archives/236 宗教美術の専門家である宮下規久朗氏の論文をまとめたもの。タイトルに惹かれてよんでみたのだが、予想以上に面白かった。 まずなんと言っても、バロック美術をカトリックのプロバガンダとして分析している点が興味深い。2018/12/22