出版社内容情報
ハーバード大での最先端の議論を紹介する、医療倫理の水先案内。医療資源配分は人々の厚生に大きく影響するが、有限な資源の配分には判断を要する。多くの事例を通じ、医療資源配分の倫理学的側面を分かりやすく解説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
金平糖
3
B。2020/07/15
すずき
2
限られた医療資源をどのように配分すべきかという規範的な問いに答えた本。QALYなどの健康の価値を測るための指標であったり、その指標に基づいて意思決定する方法であるCEAなど欧米諸国で用いられている手法が程よくまとまって紹介されている。医療資源配分が社会正義一般の問いと完全に独立はしていないながらこの領域固有の分配原理を必要とすることや、QALYの最大化が必ずしも功利主義へのコミットを含意しないことなどは初めて知った。特に強い主張を正当化する意図では書かれておらず、論点の整理として優れていたと思う。2021/02/04
vonnel_g
2
国の医療政策には、限りある財源でできるだけ多くの人の健康状態をよりよく維持するという目的がある。さて、では誰にどんな風に割り振れば最大限に財源を活かせるのか?経済と倫理のバランスを取るという難題をみんなで考えるための一冊。2018/07/02
YNR
1
医療アクセスには差異が存在する。原因は、医療の提供が、少なからず希少であるからである。本書は6章にわたり、医療の提供の差異を、医学的・公衆衛生学的・経済的・社会的・倫理的な見地から問う、医療資源の倫理に関する入門書である。参考文献も豊富な記載があり、医療に携わるものは一読に値する。2018/01/27
煮
0
めちゃ考えてしまった、結局なにもしないほうがいいじゃんって大の字になりたくなるけどそれじゃダメなんだよねって話2021/01/12