出版社内容情報
セミネール開始から十年、情動の領域に踏み込んだラカンは、自と他、過剰と欠如、欲望とその対象をめぐるトポロジカルな関係性のうちに「不安」を位置づけながら、いよいよ「対象a」をめぐる本格的考察を展開する。中期ラカン思想の枢要をなす概念が相次いで開花する、ラカン思想の理解に不可欠な第十巻がついに邦訳。
内容説明
誰しもが遭遇する「不安」、それは人間存在に何を投げかけているのか―一〇年目のセミネールでラカンは、普遍的でありながら、しかし精神医学でも現象学でも十分に考察されてこなかったこの問いと正体する。フロイトはじめ過去の臨床家を悩ませてきた様々な症例の再解釈を通じて、主体と欠如、欲望とその原因をめぐるトポロジカルな迷宮の果てに、ついに「対象のa」をめぐる本格的考察を展開。ラカン思想全域の理解に不可欠な、熱気あふれるセミネール第一〇巻。
目次
不安の構造への導入(シニフィアンの網の中の不安;不安、欲望の記号;宇宙から「不気味なもの」へ;去勢不安の向こう側;騙すもの;騙さないもの)
対象の境位、再考(それをもたないではない;欲望の原因;行為への移行と「アクティング・アウト」―身を投げること、そして舞台に登ること;還元不能の欠如からシニフィアンへ;欲望に句読点を打つこと)
著者等紹介
小出浩之[コイデヒロユキ]
1943年生まれ。精神科医。現在、岐阜大学名誉教授
鈴木國文[スズキクニフミ]
1952年生まれ。精神科医。現在、医療法人生生会松蔭病院勤務。名古屋大学名誉教授
菅原誠一[スガワラセイイチ]
1970年生まれ。精神科医。現在、東尾張病院勤務
古橋忠晃[フルハシタダアキ]
1973年生まれ。精神科医。現在、名古屋大学学生相談総合センター准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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