「計画」の20世紀―ナチズム・“モデルネ”・国土計画

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  • サイズ A5判/ページ数 248p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784000611763
  • NDC分類 601.34
  • Cコード C3022

出版社内容情報

ナチズムを近代の理念の発現と捉える〈モデルネ〉論が見落としてきた、もう一つの20世紀の歴史を描き出す。

内容説明

フーコー的近代論と呼応する形で、ナチズムを近代からの逸脱ではなく、その理念(規律や秩序の追求)の発現と捉える議論が通説となって久しい。それらの議論が捨象してしまった、規律に抗して人間の主体性を取り戻す試みの歴史を、近代を体現する「国土計画」を戦中戦後のドイツで担った一人のテクノクラートの生涯を通じて描き出す。

目次

序章 ナチズム・“モデルネ”・国土計画
第1章 戦後国土計画の出発―「下から」と「上から」のベクトルの相剋
第2章 模索のなかの国土計画―中心地論と地方自治
第3章 「下から」の国土計画―地域計画連合の取り組みと挫折
第4章 ナチ支配下の国土計画―シュレージエンのツィーグラー
終章 グローバル化・地域化・地方自治

著者等紹介

山井敏章[ヤマイトシアキ]
1954年生まれ。東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。立命館大学経済学部教授。博士(経済学)。ヨーロッパ近現代社会経済史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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壱萬参仟縁

39
問題は、「現在への問い」の中身である(34頁)。 地域計画連合―「下から」の国土計画(73頁~)。 ツィーグラーが先導した。自発的な協働、共通の意見形成こそが重要(75頁)。重要なのは、規模を拡大した郡を地域計画策定の主体とする、という提案(90頁)。上からと下からのベクトルの矛盾・対立はすべての国土計画・地域計画に内在するものであり、いかなるシステムも何らかの妥協という限界、解決しえない問題を抱え込む(98頁)。 2017/09/24

Mealla0v0

5
冒頭の俗流フーコー主義叩きはともかく(それはフーコー批判たりえない)、資本主義の進展に伴う社会の分解に抗して「秩序」の再建を目指していく歴史過程としての「計画」というパースペクティブは興味深い。本書で検討される国土計画には2つの起源があるという。地方自治体の自治をめぐる構想と、(とりわけ戦時期の)入植計画である。両者は国土を開発し秩序づける方向性を共有するが、「上から」「下から」の異なるベクトルを持つ。中心地論のような言説もそのひとつ。グローバル化が進む現代では、地域が重要になっているという。2022/02/05

takao

1
ふむ2021/06/07

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