出版社内容情報
アラビアンナイトにも影響を与えたイスラム世界最古の逸話集。繁栄を極めたイスラム社会のありさまを見事に活写。買切。
内容説明
10世紀、アッバース帝国の首都バグダードで記された逸話の数々が、繁栄を極めた社会のありさまを映しだす。
目次
死者に嘘つく要はなし
本当の利益とは何か
宰相の寛大さをバルマク家にたとえる
貧すれば鈍する
成り上がりだが無類の気前よさ
イブン=アルジャッサースが莫大な科料に処せられる
宰相の首のすげかえ金次第
靴音さえ気遣う
高級軍人の遺産の壷
気前のよい男とはこんなもの〔ほか〕
著者等紹介
森本公誠[モリモトコウセイ]
1934年生まれ。東大寺長老。2004‐2007年、東大寺第218世別当・華厳宗管長をつとめる。京都大学文学博士。イスラム史家として、同大学で長年にわたり研究・教育に従事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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きのたん
4
課題図書として渡された。題名を見ると面白そうな話でいっぱい。アラビアンナイトみたいなものかな。しかし、じっくり読むには時間が。今ブロックのような薔薇の名前を読んでいる。いつか読もう。2021/01/21
mob
2
・ブワイフ朝支配前後の若干の混乱はあれど、中世イスラム社会の精神的な安定感が伝わってくる説話集。飛躍の必要を感じさせない(千年前にしては)非常に成熟した雰囲気の社会。人脈とコネは大事だが、宗教の縛りは緩く善行を呼びかけるばかり。世俗と教会がぶつかり家族問題に干渉しフラストレーションを溜め合う中世西欧などとは全く違う。 ・頻出する賄賂は結局、主権者に対する犯罪なので、主権者が国民の時代なら理性的に考えて許すことはあり得ないが、主権者がカリフや王様なら民衆視点で見方が全く変わる。同じ基準で考える方が間違い。2021/10/24