内容説明
第一次世界大戦後に創設されたヴァイマル共和国では、従来の分権的な連邦制は克服すべきものとされ、共和国末期にヒトラーが国家を「画一化」して第三帝国を打ち立てた。しかし連邦制は第二次世界大戦後に復活し、東西統一を果たした現在のドイツで生き続けている。連邦主義をめぐる知識人たちの議論をたどり、ドイツの命運を左右した分権化と集権化の力学を読み解く。
目次
第1部 ヴァイマル共和国創立期(ヴァイマル憲法制定の審議過程におけるフーゴー・プロイス―直接公選大統領制をめぐって;ヴァイマル共和国における民主的単一国家論;ライヒ・ラント間の争訟―ヴァイマル憲法における国事裁判所)
第2部 ヴァイマル共和国崩壊期(ヴァイマル末期の国法学とカール・シュミットの連邦主義批判―新資料に即して;危機の共和国と新しい憲法学―カール・シュミットの憲法概念に関する一考察;エルンスト・ユンガーのナショナリズム論―ナチズム観の特徴とその変遷 ほか)
第3部 戦後再建期と全体の概観(戦後ドイツ連邦制の誕生―戦勝国とドイツとの相克の視角から;ドイツ連邦国家の発展―一八七〇年から一九三三年まで;ヴァイマル・ボン・ベルリン―基本法の歴史上の位置について)
著者等紹介
権左武志[ゴンザタケシ]
東京大学法学部卒業、北海道大学大学院法学研究科博士課程単位取得退学。法学博士。現在、北海道大学大学院法学研究科教授。『ヘーゲルにおける理性・国家・歴史』(岩波書店、2010年、和辻哲郎文化賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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