内容説明
医師として四〇年、臨床の現場で一人一人の患者と向き合いながら感じた悩み。それを考えるためには、反対言葉がヒントになる。正解や正義が固定されやすい現代社会の中で、自由に生き、看取るためには。それらをめぐる思いを綴る。雑誌『図書』好評連載。
目次
初心巡礼
反対言葉の群生地
“生きる”と“死ぬ”
“行くぞ”と“頼む”
“呼気”と“吸気”
“花”と“刀”
“大きな問題”と“小さな問題”
“自動詞”と“他動詞”
“キュア”と“ケア”
“泣く”と“笑う”〔ほか〕
著者等紹介
徳永進[トクナガススム]
1948年生まれ。内科医。京都大学医学部卒業。鳥取赤十字病院内科部長を経て、2001年鳥取市内にホスピスケアを行う有床診療所「野の花診療所」を開設。1992年地域医療への貢献を認められ第1回若月賞を受賞。著書に『死の中の笑み』(講談社ノンフィクション賞受賞)など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しゃが
25
読み進めながら癒されていくのはなぜだろう? 鳥取のホスピス「野の花診療所」の医師徳永さん。臨床の現場で一人一人の患者と向き合いながら感じた悩み、それを考えるためには、反対言葉がヒントになってきたと語る。そのことは医療のみならず、正解や正義が固定されやすく、縛られやすい現代の社会(=A)の中で、自由に生き、看取り、看取られ、そして自由に死ぬ(=非A)ためには徳永さん自身が自戒をこめ、また患者さん、家族、社会に考え、優しく問いかけるエッセイだった。2016/05/10
ハナさん*
1
2016年2月24日第1刷。市図。著者は第1回若月賞受賞の医師。40年以上臨床医として患者と向き合い、地域医療に貢献してきた。医療現場には「正解は一つと言い切ろうとする風潮すらある」が、「言い切れる正しさなんて、臨床にはない」(p.ⅶ)と感じ、「臨床は反対言葉の群生地」である、「真実は矛盾の中にこそある」(p.ⅷ)という立場から、矛盾する反対言葉をタイトルにして記した文章を集めたもの。着眼点はものすごく良いと思うのだが。『図書』に連載した一般向けの小文を集めたものなので、それぞれが短く、やや深さに欠ける。2025/05/10
かんな
1
体と心の開閉(⌒‐⌒)意識してみます。2018/09/26