出版社内容情報
舞台は19世紀末モスクワ、一人の青年がピストル自殺を遂げた。遺された謎の言葉〈アザゼル〉―。必読のシリーズ第1作。
内容説明
舞台は十九世紀末モスクワ。一人の青年が、公衆の面前でピストル自殺を遂げた。捜査にあたるのは、特捜部にやってきたばかりの新人、黒髪に青い目、お洒落ではにかみ屋の美青年、ファンドーリン。簡単な事件と思いきや、捜査線上に浮かんできた絶世の美女、新たな殺人、そして謎の言葉“アザゼル”―必読のシリーズ第1作!
著者等紹介
アクーニン,ボリス[アクーニン,ボリス] [Акунин,Борис]
1956年生まれ、ロシアの作家。本名、グリゴーリイ・チハルチシヴィリ。1998年より、日本語の「悪人」から考えだしたという「アクーニン」のペンネームで歴史推理小説ファンドーリン・シリーズを次々に発表、空前の大ブームを巻き起こす。ロシアでナンバーワンのベストセラー作家。日本の歴史や文学に造詣がふかく、三島由紀夫、丸山健二、島田雅彦、多和田葉子らのロシア語訳や、研究書『自殺の文学史』(作品社)などの著作もある
沼野恭子[ヌマノキョウコ]
1957年生。東京大学大学院博士課程単位取得退学。東京外国語大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紅はこべ
47
我々がロシアンルーレットと呼んでいるゲームがロシアではアメリカンルーレットとは!どちらが正しい?シリーズ第1作を最後に読むことになったので、ファンドーリンの初々しさ、時々踏むドジ、感情を隠せないところとかまるで別人で新鮮だった。本作に次作のきっかけがある。やはりこのシリーズは順番に読んだ方がいいかも。同じファムファタールでも本作の悪女よりは、『アキレス将軍』の歌姫の方が魅力的だな。2015/10/05
九月猫
39
300ページちょっとに、もぎゅっと盛り沢山に詰め込まれた捜査官ファンドーリンの冒険譚第一弾。二十歳のシャイですぐに顔の赤くなる見映えの良い好青年。新米の14等官の彼が、自分でも気づかなかった強運とひらめきの持ち主であり、生来の誠実さと若い無鉄砲さで核心に迫り、トントンと出世していく様はなんとも小気味よい。若者の自殺と思われた事件から、目の前で起こる殺人、自らも凶刃に襲われ、国際的なテロリスト組織の影がちらつき……と、よくもこんなに詰め込んだこと!そして最後の2ページで……えええっ?!おもしろかったです。2015/08/05
Porco
15
冒険活劇ですね。2019/07/15
かおりん
8
暫し呆然… タイトルから入って、シリーズを大好きな書評家さんが賞賛していらしたので即読みした次第。 で、とにかく面白いのなんの。多少ボリューミーな本作、まるでその事が気にならない。久し振りに主人公と共にわくわくする冒険譚を味わった。途中多少残酷面はあったものの。 そして大団円…で、呆然(褒め言葉)。 レーベルの思い込みを取っ払い、是非とも大人に読んで欲しい作品。さて次へ!2017/03/07
ちゅーとろ
7
ファンドーリンシリーズ第1作であって、主人公ファンドーリン登場。舞台は、19世紀末のロシア、世界を牛耳ろうという秘密組織に対するファンドーリンの活躍というかドジをやらかし続ける話。ヨーロッパらしい怪しさだらけのストーリー展開に、特捜捜査官としてデビューしたハンサムではにかみ屋だが超人的能力を持つファンドーリンの紹介もかねてる。九死に一生をえて秘密組織中枢からのがれたにもかかわらず、一目惚した女性と結婚した途端自分の代わりに爆死するとは。これからの活躍に陰をおとす悲惨な話でもある。2019/06/30
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