出版社内容情報
無限に広い宇宙に無限個の星が一様に分布していたら…夜空は明るく輝くはずなのに実際は暗いことを「オルバースのパラドックス」という。太陽が沈んだから暗いのか。しかし夜空には星が輝く。宇宙も星の数も有限だからか。宇宙が膨張しているからか。簡単そうで、一筋縄ではいかない謎解きを通し、宇宙の真の姿に迫ろう。
内容説明
その昔、宇宙が無限に広くて星が無限個あり、一様に分布していたら、夜空は明るく輝くと考えた人がいた。実際は暗い。この「オルバースのパラドックス」は、なぜ生じるのか!?太陽が沈んだから?しかし夜空には星が輝く。宇宙も星の数も有限だから?宇宙が膨張しているから?…。簡単に解けそうで一筋縄ではいかない。数百年来の謎に挑めば宇宙の姿が見えてくる。
目次
第1章 オルバースのパラドックス
第2章 落とし落と解き方いろいろ
第3章 階層構造の効果と宇宙膨張の効果
第4章 天の川の中で明るい夜空を考える
第5章 銀河がいくつあれば夜空は明るくなるか?
第6章 私たちの住む宇宙はなぜ明るくないのか?
著者等紹介
谷口義明[タニグチヨシアキ]
1954年北海道生まれ。東北大学理学部卒業。同大学院理学研究科天文学専攻博士課程修了。理学博士。東京大学東京天文台助手などを経て、放送大学特任教授。専門は銀河天文学、観測的宇宙論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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- 評価
COSMOS本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
44
そもそもオルバースのパラドックスは、多くの仮定から導かれたもので、仮定が妥当だと考えられていた時代も長かった。しかしその後の天文学の発達で、仮定がどんどん妥当性を失ってしまった。さらに定性的に理解・説明されてきたものの、定量的に見直してみれば、いとも簡単にパラドックスは解消してしまう。なるほどね。むしろ逆に考えて、私たちが灼熱状態の宇宙にいるわけではなく、現実に無事に生きていられるのだから、そこから定量的に妥当な宇宙像が導かれてもよかったはずだ。とはいえ実際の天文学史はそれとは逆の発達の仕方をしたわけだ。2024/07/31
かもすぱ
10
宇宙が無限に広くて、無限の星があるなら、夜も明るいはず。それなのに夜空が暗いのはなぜか。500年前に提唱された「オルバースのパラドックス」。解説者によってまちまちで、時折間違いさえ含む”解決法”を、ひとつひとつ検証しながら検討していく。宇宙はどのくらい広くて、古くて、遠くの星や銀河はどのように観測できて、どれだけあるのか。宇宙論のおさらいに最適だと感じた。淡々としたユーモアや、ある種文学的な表現も小気味よかった。2024/03/12
駒場
4
宇宙の大きさは無限で星は無限にあるのにどうして夜空は星で埋め尽くされてないの!?こども電話相談室的なオルバースのパラドクスだが、他の本で「光速が有限だから」と読んだ記憶がある。が、そもそも宇宙の大きさは有限で星の数も有限(パラドクスの前提が間違っているパターン)!全天埋め尽くすには「背景限界距離」20兆光年先まで見えなければならない!いやいやそれ以前に宇宙の総エネルギー量は空を埋め尽くすほどの星を生成できるほどでかくないんである! 順を追って説明してくれるのでそうだったのかなるほどね……となる良書です2024/03/15
takao
2
夜空全部を敷き詰めるほど星がない。つまり、そんなに物質がない。2024/08/14
インテリ金ちゃん
1
パラドックスの仮定をよく整理・吟味していけば、矛盾にたどり着けることがよく分かった。吟味するのに必要な宇宙についての知識を得る苦労も興味深かった。2024/09/11
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