出版社内容情報
日本の地盤は千年ぶりの「大地変動の時代」に入った。内陸の直下型地震や火山噴火は数十年続き、2035年には西日本大震災が迫る。市民の目線で本当に必要なことのすべてを紹介。いま何を準備すべきなのか、命を守る行動を説く。
内容説明
東日本大震災が引き金となり、日本列島の地盤は千年ぶりの「大地変動の時代」に入った。内陸での直下型地震や火山噴火が数十年も続き、約20年後には「西日本大震災」が迫る。富士山は噴火するのか、カルデラ噴火は起こるのか?「伝える技術」を総動員して、市民の目線で本当に必要なことを包み隠さずに伝える。いま何を準備すべきなのか、「命を守る」行動を説く。
目次
1 熊本地震と豊肥火山地域―いつ終息するのか
2 必ず来る南海トラフ巨大地震
3 活断層と首都直下地震
4 活動期に入った日本列島の活火山
5 富士山はいつまでも「美しい山」か
6 カルデラ噴火は起きるか
7 「想定外」に起きる災害への対処―「知識」から「行動」へ
著者等紹介
鎌田浩毅[カマタヒロキ]
1955年生まれ。東京大学理学部卒業。通産省を経て1997年より京都大学大学院人間・環境学研究科教授。理学博士。専門は火山学・地球科学・科学教育。テレビ・雑誌・新聞で科学を明快に解説する「科学の伝道師」(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ロマンチッカーnao
22
2030年代には確実に南海トラフ巨大地震は来ます。これは確実みたいですね。来るか、来ないかではなくて、いつ来るのかって問題。ほぼ確実に2030年代だそうです。その規模は、南海トラフというと、わかりにくいけど、簡単に言うと、西日本大地震。6000万人が被害を受け、被害額は220兆円を超える。同じく、首都直下型地震も確実に来る。富士山も噴火する。コロナを軽く超える災害が確実に訪れる国、日本。コロナ対応を見たらわかる通り、今の政治体制では、国は滅びるだろうなって思いつつ読了。2021/02/27
yyrn
18
これまでたくさんの地震や火山、防災の本を読んできてその度に身を引き締めてきたが、ここまではっきりと専門家に「2040年前後に西日本大震災が起こり、東日本大震災の10倍の被害をもたらす」と断言されると、もう開き直るしかないか。首都直下地震や富士山大噴火の危険も迫っているというのだから、なおさらで、そのとき「助かる・助からない」はもう時の運だろう。たとえ助かったとしても、そんな大災害に遭えば日本経済は壊滅し、覇権国家だったスペインやポルトガルが凋落したように二流国になりさがるだろうが、それもまた良しではないか2018/11/08
DEE
12
大地震は必ず起こると言われているにも関わらず、自分は備えが全然できていない。言い訳じゃないけどそういう人は多いのではないか。 著者は伝えることと伝わることの違いを痛感し、どうすれば行動を起こせるかを考え続けている。 日本に地震が多い理由や噴火のメカニズムが分かりやすく解説されていて、もしそれらが起こったらどうなるのかといった具体的な予想も書かれている。 何年か前の御嶽山噴火。調理中の天ぷら油より熱い噴煙が人々を襲ったのだとか。恐ろしい。2019/12/13
鬼山とんぼ
8
地震の研究者に比べると火山の研究者は大分影が薄い気がする。しかし火山は観察、調査はずっと容易で対象の山も世界中に多数あり、きっと研究は地震よりずっと楽しいはずだ(不見識と言われそうだが)。火山災害は質的に地震とはかなり様相を異にするが、被害の規模はけして劣らない。そして日本は世界的にも突出した火山密集地帯でもある。小林一茶は災害や不幸には自然な形で遭うのがよいと諭しているが、この本で寺田虎彦の言葉が紹介されている真意も似たところにあると感じた。正しく対象を恐れ適切な準備はするが、過剰、無理な対応はしない。2024/06/07
タムタム
8
専門的ではあるがわかりやすい。確かに南海トラフより、西日本大震災の方が身近に感じられる。役20年後に、東日本大震災の10倍の災害規模。避けられない事なんだと改めて思い、何ができるかを考える。とりあえずその時に、自分で歩ける筋力をつけておくことから始めよう。2018/08/28