岩波科学ライブラリー
科学の困ったウラ事情

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  • サイズ B6判/ページ数 128p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784000296472
  • NDC分類 404
  • Cコード C0340

内容説明

科学の世界はいま、大きく変化している。多額の研究費と引換えに成果主義や市場原理主義が導入され、研究者に実用性や社会貢献が求められる。研究環境は悪化し、研究の大規模化で予算は高騰し、不正によるメリットも膨らんでいる。これをどう是正するのか。研究はどうあるべきか。現役の研究者が現実的な方策を提示する。

目次

1 危機に瀕する科学(基礎科学はこれでよいのか;天職からシゴトになった科学)
2 科学者というシゴト(研究の影に隠れる大学院教育;商業化される国際会議―失われゆくソサイエティ;研究者のベーシック・インカム;研究のマル査)
3 学術論文という制度(学術研究というビジネスの裏側;論文数はどれほど重要か―置き去りにされる質;知識の1パーセント則;ハイエナ学術出版;ライブラリ化する大学図書館の未来;オープンサイエンスを誰が支えるのか)
4 不正はなぜ起きるのか(不適切なオーサーシップ;信用を傷つける「メガホン科学」;腐ったリンゴは落ちるか;研究不正とその対策)
5 社会における科学のあり方(老後の初心忘るべからず;評価経済社会;技術化する科学;社会のための、個人の科学)

著者等紹介

有田正規[アリタマサノリ]
1971年生まれ。東京大学理学部情報科学科卒業。同大学院理学系研究科博士後期課程満期退学。理学博士。電子技術総合研究所、産業技術総合研究所生命情報科学研究センター、東京大学大学院新領域創成科学研究科、同理学系研究科を経て、国立遺伝学研究所生命情報研究センター(教授)。専門は生命情報科学(バイオインフォマティクスとメタボロミクス)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

えも

14
現役研究者(国立遺伝研教授)が書いた、わが国科学界の現状と課題。◆不正がなくならない原因やボスが学会を牛耳る構造、国の予算配分の問題点など、むしろ暴露本に近い内容で、改善提言もしてるからいいものの、ここまで書いて干されないの?って思っちゃう。◆研究者の論文捏造事件を題材にした小説を読んだ後だから、自分的にはタイムリー。でも雑誌連載のコラムをまとめたものなので重複する内容が次々出てきて、少々くどい読書でした。2016/04/21

🍭

7
407、図書館本。2016年発行。学術論文とそれに纏わる不正の問題は表にでてきたSTAP細胞の例だけなく、組織腐敗や利権問題、既得権益をめぐる大人の派閥争いという事情も相俟ってかなりここから二十年くらいの学問そのものの腐敗や、研究職の成果主義化(短期的にみても長期的にみてもゴミ)は止まらないんだろうなと思った。OAについては好意的に感じていたが、ハイエナジャーナル・ハゲタカジャーナルの層の厚さを考えるとその認識ではやっていけないなと感じた次第。学歴()ではなく、修士・博士の方に現実はどうか訊いてみたい。2024/08/18

きぅり

6
結構研究者側の裏事情抉ってます。研究不正がある度に官僚は研究者に首輪をしたがるけど、縛らなきゃいけないのは足(無駄な海外の学会参加)の方じゃない?と思った。官僚と研究者はSとMで、二人は秘密の共犯関係♡…SMというのはマゾが拘束して苦痛を与えて欲しいところをうまくサドが見抜くことが大切だというのに、今の科学技術政策(特に研究倫理)は左手の薬指と小指を縛るような、誰も苦痛を伴わないところだけを縛って、責任逃れごっこをしているだけじゃないか(怒2016/06/12

べべっち

5
【図書館】2016/06/10

calaf

4
科学者の仕事の実情、研究環境(論文とか研究費とか)の問題等々を、割と平たく書いてある印象。ほとんどの部分が実感と合っています。簡単には解決できない問題が多いけど...2016/10/13

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