内容説明
科学の世界はいま、大きく変化している。多額の研究費と引換えに成果主義や市場原理主義が導入され、研究者に実用性や社会貢献が求められる。研究環境は悪化し、研究の大規模化で予算は高騰し、不正によるメリットも膨らんでいる。これをどう是正するのか。研究はどうあるべきか。現役の研究者が現実的な方策を提示する。
目次
1 危機に瀕する科学(基礎科学はこれでよいのか;天職からシゴトになった科学)
2 科学者というシゴト(研究の影に隠れる大学院教育;商業化される国際会議―失われゆくソサイエティ;研究者のベーシック・インカム;研究のマル査)
3 学術論文という制度(学術研究というビジネスの裏側;論文数はどれほど重要か―置き去りにされる質;知識の1パーセント則;ハイエナ学術出版;ライブラリ化する大学図書館の未来;オープンサイエンスを誰が支えるのか)
4 不正はなぜ起きるのか(不適切なオーサーシップ;信用を傷つける「メガホン科学」;腐ったリンゴは落ちるか;研究不正とその対策)
5 社会における科学のあり方(老後の初心忘るべからず;評価経済社会;技術化する科学;社会のための、個人の科学)
著者等紹介
有田正規[アリタマサノリ]
1971年生まれ。東京大学理学部情報科学科卒業。同大学院理学系研究科博士後期課程満期退学。理学博士。電子技術総合研究所、産業技術総合研究所生命情報科学研究センター、東京大学大学院新領域創成科学研究科、同理学系研究科を経て、国立遺伝学研究所生命情報研究センター(教授)。専門は生命情報科学(バイオインフォマティクスとメタボロミクス)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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