出版社内容情報
米ビッグスリーを軸に自動車産業の栄枯盛衰の歴史を辿り、これからの自動車社会を展望する。
内容説明
ヘンリー・フォードが一九〇八年T型フォードを発売し、クルマが社会に広く普及してから一世紀。モータリゼーションは人びとの暮らし方から、産業・経済構造までも大きく変え、環境に負荷をかけながらも、いまや多くの発展途上国においても進んでいる。このモータリゼーションを主導してきたビッグスリー(GM、フォード、クライスラー)を軸に、欧州、日本、新興国をも視野に入れて自動車産業の栄枯盛衰の歴史を辿り、電気自動車、自動運転等々、一大技術革新期を迎えた自動車文明のこれからを展望する。
目次
プロローグ―激変する世界の自動車産業
第1章 アメリカ自動車産業の誕生と成長
第2章 アメリカ自動車産業の「黄金時代」―その光と影
第3章 「黄金時代」の揺らぎと「日米逆転」
第4章 ビッグスリーの「復活」と米国自動車産業のグローバル化
第5章 GMの経営破綻
エピローグ―二一世紀のビッグスリーとアメリカの自動車文明の行方
著者等紹介
鈴木直次[スズキナオツグ]
1947年生まれ。70年上智大学経済学部卒業、76年東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。専修大学経済学部専任講師、助教授を経て、同教授。博士(経済学)。専攻はアメリカおよび国際経済(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kawai Hideki
60
アメリカの「ビッグスリー」である、GM、フォード、クライスラーを主軸とした、米国自動車業界の歴史と変遷。教科書的で味も素っ気もない文章だが、行間から垣間みられる、経営者、従業員、労働組合、消費者の考え方や行動の変化が面白い。特に、経営者の手腕次第で数年でこんなに変化するのか、というダイナミズムがすごい。一方、短期的に劇的に回復したとしても、根本が変わっていなければ、結局同じ問題を繰り返す。その度に、労使の信頼関係が崩れ、将来の改革の障壁として立ちはだかる・・・と、長期的な視点のストーリーも興味深かった。2017/03/19
Ujiro21
6
日経新聞に紹介されていて、図書館でたまたま見かけて読む。自動車産業の誕生から、企業の成長、労使の歴史など客観的な視点で一気にまとめあげているのは面白かった。ただ、長い。新聞を延々と読まされている感覚は否めなかった。図書館で延長申請しても読み切れず…興味が薄れ返却。また、余裕が出てきたら通読しようと思える面白い本ではあった。自分の余裕のなさを知る。2017/03/09
スプリント
4
アメリカを中心とした自動車産業の歴史がよく理解できます。 電気自動車への移行が進み、自動運転技術の産業化が加速する現状で自動車産業の未来がどのようになっていくのかを考察するにはお薦めの本です。 自動車会社の合併はさらに進みそうですね。2017/01/21
YUJIRO
2
アメリカビッグ3の歴史を描く。目の前の利益を追い求めるあまり、時代の流れに乗り損ねたことが、凋落の要因と説く。利益を確保しながら、如何に次世代の環境技術、自動運転等に対応していくか。歴史に学ぶところも大きいのかもしれない。2019/04/12
numainu
2
評価B2017/02/07