内容説明
席巻する市場主義、強まる政治介入、高まるメディア不信―それでも、“ジャーナリズム”を諦めない英国に何を見るか。
目次
序章 メディアの公共性とは何か
第1章 歴史的転換を迫られた英国新聞界―メディア王・マードックの台頭
第2章 メディア覇権戦争―新聞人・マックスウェルの凋落
第3章 タブロイド・ジャーナリズムとは何か―ポピュラー・ジャーナリズムの変質
第4章 高まるメディア不信―法規制か自主規制か
第5章 ゆらぐ公共放送BBC―独立性堅持のためのサバイバル作戦
第6章 多発する不祥事と英国ジャーナリズム―問われる報道倫理
終章 ジャーナリズムの再生をめざして―英国での議論
著者等紹介
門奈直樹[モンナナオキ]
1942年、静岡県生まれ。同志社大学大学院修士課程新聞学専攻卒業。英レスター大学マス・コミュニケーション研究所客員研究員、立教大学社会学部長、北京外国語大学大学院日本学研究センター教授、京都産業大学・同大学院客員教授などを経て、立教大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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壱萬参仟縁
26
英国ではパブリック・サービス・メディアとしての放送の公共性論議が連綿と続く(20頁)。「放送白書」:10年間隔で発表されるBBCの理念と役割についての政府決定書の別称(26頁)。BBCにはパブリック・バリュー(公共の価値)という価値概念がある(30頁)。重要なのは、強固な利益主義が見られるメディア市場で今、ジャーナリズムの現場で何が起っているのか、メディアの全体像を分析する姿勢(115頁)。「白書」が力説したのは、商業サービス活動、受信料制度など資金調達のあり方、国際放送の充実(190頁)。2015/09/22
Meistersinger
2
BBCが同業モデルとしてNHKを意識してたというのは面白かった。結局、「経営の安定」「思想的中立」「取材活動の暴走予防」が問題であることは日英とも変わらないと。日本の全国紙の論調は人物などのミクロなドラマに捕らわれがちだが、これは英国のタブロイドのものと同様というのは興味深い。2015/08/14
takao
0
ふむ2025/03/15