岩波現代全書
特講 漱石の美術世界

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  • サイズ B6判/ページ数 256p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000291361
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0395

内容説明

二〇一三年に開催された「夏目漱石の美術世界」展でキュレーターを務めた著者が、展覧会の成果をふまえて、漱石にとって美術とは何だったのかを考察する講義形式の一冊。こどもの頃に親しんだ日本の美術、ロンドンで鑑賞した西洋の絵画、小説の中に書きあらわした美術作品の意味、文展の会場で見た出品作に対する批評、そして自ら描いた南画山水、自著『心』の装幀にいたるまで、美術の視点から読むといっそう漱石の小説が面白くなる。

目次

第1講 漱石美術館、鑑賞の手引き
第2講 『倫敦塔』『薤露行』
第3講 『草枕』
第4講 『一夜』『夢十夜』
第5講 『三四郎』
第6講 『虞美人草』『門』『心』
第7講 漱石の美術批評
第8講 自然主義
第9講 浪漫主義と世紀末美術
第10講 漱石自筆画と南画世界

著者等紹介

古田亮[フルタリョウ]
1964年生まれ。東京藝術大学大学院美術研究科博士後期課程退学。東京国立博物館、東京国立近代美術館を経て、2006年東京藝術大学大学美術館助教授、現在准教授。専門は近代日本美術史。04年「琳派RIMPA」展、06年「揺らぐ近代」展(倫雅美術奨励賞)、08年「狩野芳崖」展、12年「高橋由一」展、13年「夏目漱石の美術世界」展など、多くの美術展の企画を担当。著書に『俵屋宗達 琳派の祖の真実』(平凡社新書、2010、第32回サントリー学芸賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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コットン

63
漱石と美術というと思い付くのは『坊っちゃん』におけるターナーの松の話だろう。そんなアートに焦点を当てた漱石論。例えば書き出しが「こんな夢を見た。」で始まることもある『夢十夜』の中で、第六夜の出だしは「運慶が護国寺の山門で仁王を刻んでいると云う評判だから…」とあり、徳川時代に建立した護国寺を鎌倉時代の運慶が…?という辺りから話が始まり、ミケランジェロの石の中にある魂を掘り出すという彫刻理想論を論じようとしたのではないか。と結論付ける所など面白い。『漱石の美術世界』展でキュレーターを勤めた著者ならではの手腕!2019/12/15

yn1951jp

35
漱石の小説中に美術世界を見る愉しみ。小説中に登場する絵画や登場人物のイメージとして語られるラファエル前派など同時代の西洋絵画や日本画、南画のイメージ。「その時僕が女に、あなたは画だと云ふと、女が僕に、あなたは詩だといった(三四郎)」。男とは詩人の気質であり、それに対して女は目で楽しむ芸術だ、という考え方は漱石の小説をつらぬく一つの流れ(ロバート・キャンベル)という。漱石を再読したくなる。2015/02/14

きつね

10
p.215「小杉未醒は、パリでたまたま池大雅の《十便図》の複製を見て人生観を変えるほどの衝撃を受けていた(…)帰国後、大正四年に「大雅と南画」という一文を書いた小杉は、(…)「仏国あたりの『孩児的純朴』に帰命する人々」が大雅の《十便図》を見たら、自分たちのやろうとしていることが既に百年前の日本で行われたことを知って驚くだろうと言っている(…)印象派、後期印象派、あるいはそれ以降の表現主義的なスタイルと南画とを結びつけていくことが、明治末から大正期にかけての南画の再評価につながっていたことは間違いない」2014/08/03

ganesha

1
同名の展覧会キュレーターによる小説に登場する作品や、漱石が言及した同時代の美術界と自筆画など「漱石の脳内美術館」について。この展覧会でウォーターハウスの人魚や、ミレイのオフィーリアはなかったけどロンドン塔に幽閉された王子たちを観たことを思い出しつつ読了。青木繁と萩原守衛についての講が興味深かった。2017/02/21

396ay

0
卒論用。以下はメモ。2020/09/03

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