出版社内容情報
人は想像力によって現実世界のイメージをつくりかえ、状況を能動的にとらえ、自らを解放せねばならない。この国の「あいまいな言葉」を検証し、強権の押しつける人間像を拒み、「国益」に対抗する思想をつむぐ。オリンピック、万博、強行採決、権威に迎合的なメディア……六十年前と二重写しになる現在求められる、持続する志。
内容説明
悪しき現実に縛られない心。この国の「あいまいな言葉」に抗う、われわれを解放する政治的想像力とは何か。著者自ら編んだエッセイ・評論集成。
目次
1(記憶と想像力(講演)
紀元節と個人の「自己」の問題 ほか)
2(「期待される人間像」を批判する;恐ろしきもの走る―「日韓条約」抜打ち採決の夜 ほか)
3(絶望的な蛮勇気;“記憶して下さい。私はこんな風にして生きて来たのです” ほか)
4(誰を方舟に残すか?―または余剰について;ホモ・プロ・セ―または自立について ほか)
5(おもてを伏せてふりかえる―わが戦後;死滅する鯨とともに―わが’70年)