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岩波人文書セレクション
「権利のための闘争」を読む

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  • サイズ B6判/ページ数 320p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784000288163
  • NDC分類 321
  • Cコード C0332

出版社内容情報

権利を守る闘いの意義を力説したイェーリングの名著を、西欧の伝統的権利感覚や近代法思潮から総合的に解明する。

内容説明

ドイツ法研究の泰斗が、権利を守る闘いの意義を力説したイェーリングの名著を、西欧社会の伝統的権利感覚、自然法論などの近代法思潮、そして転換期を迎えた一九世紀ドイツの社会情勢から総合的に解明する。日本とヨーロッパの権利意識の差異に関する考察は示唆に富む。権利や法哲学を考えるうえで、再読すべき一冊。

目次

法の形成・革新のための闘争
権利のための闘争と実力行使
倫理的人格の自己主張としての権利のための闘争
前国家的な権利と国家によって付与された権利
イェーリングの私法理論
われわれにとっての『権利のための闘争』

著者等紹介

村上淳一[ムラカミジュンイチ]
1933年生まれ。ドイツ法専攻。東京大学法学部卒業。東京大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

素人

4
『権利のための闘争』という本の読み方のみならず、ヨーロッパの法制度と法意識の歴史的な背景を教えてくれる良書だった。ヨーロッパ近代の人権は、家長たちの実力に裏付けられた前国家的な権利に由来する。ヨーロッパのいわゆる「個人主義」は国家が自律的団体秩序を解体した結果であるとともに、その解体が不徹底であったために現在のような自律的個人主義となった、と筆者は主張する。日本語で「善良な管理者」と訳す bonus paterfamilias は文字通りには「有能な家長」だとする指摘(245頁)が面白い。 2024/12/13

check mate

4
岩波文庫翻訳者による詳細な解説。「「であること」から「すること」へ」式の皮相的図式主義から遠く離れ、テクストが置かれた社会構造やイェリネックの思想の変化を踏まえて『権利のための闘争』を読み解く。新旧二層の「Recht/権利=法」概念が折り重なっているところに『闘争』があるのであり、どちらかの層だけを念頭に『闘争』を読んでしまうことの危険性がよく分かる。古典を読むことはいかにも難しい。2017/06/16

mori-ful

2
「皆さんは『権利のための闘争』をお読みになって、基本的人間のための闘争がほとんど論じられていないこと、私法上の権利のための闘争ばかり詳しく論じられていることに、奇異な感じをもたれたのではないですか? 実は、これは少しも不思議なことではありません。ヨーロッパでは、もともと実力によって裏づけられていた前国家的な権利の体系が、私法ないし民事法なのです。基本的人権は、そのような権利が、実力のない者にまで拡大して認められたとのだ、と見ることができる」(84ページ)2024/06/10

J. Tamura

1
権利のための闘争を読む上でキーポイントとなる、ローマ法について解説されているが、馴染みがない故難しかった。ローマ法においては家長のみが権利を有していたが、一方日本を比較すると江戸時代には家長に権利などなく、裁判沙汰は奉行の一存で決められていた。そこから明治時代に突貫で法律が作られ、つい70年前に現在の憲法がようやくできたことを考えると、まず法律の先生であるローマ法についてもっと学ばなければならないように思う。今法律が目まぐるしく変わろうとしている時だからこそ、日本の法律のルーツを探る必要を感じさせられた。2018/05/26

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