内容説明
『パンセ』とはなにか。また『パンセ』を読むとはどういうことか。没後に残されたこの草稿の編纂物の様態を俯瞰し解きほぐし、テクストそれ自体が発信する方向と意味を吟味しながら、パスカルの構想した「キリスト教護教論」の全容に迫ってゆく。そしてパスカルの「信仰」という営為そのものへと未踏の考察を進める。補遺として、信仰をめぐり「賭」の対象となる神を扱った断章を併せて論じる。
目次
第1章 『パンセ』という書物は存在するか(ポール・ロワヤル版『パンセ』;「パンセ」の意味 ほか)
第2章 『キリスト教護教論』の構想(「護教論」とは何か―言葉の意味;パスカルの構想―何によってそれを知るか ほか)
第3章 「キリスト教護教論」の此方―人間学と政治学(自我論―「“私”とは何か」;人間の欲望の構造―「三つの邪欲」 ほか)
第4章 「キリスト教護教論」の彼方―信仰とは何か(説得術の問題;護教論と信仰 ほか)
補遺 「賭」の断章をめぐって(議論の内容;「賭」の対象となる神 ほか)
著者等紹介
塩川徹也[シオカワテツヤ]
1945年生まれ。フランス文学・思想。東京大学教養学部教養学科卒業。パリ・ソルボンヌ大学第三期課程博士号取得。東京大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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