内容説明
いまや世界経済の基軸を担う米中経済関係。それはどのように形成され、いかなる特徴を持っているのか。両国の政治動向とも絡み合いながら、結びつきと軋みを強めている現状をどう見たらよいのか。米中それぞれが地域経済圏を作り出そうとしている動きを「ネオブロック化」として捉え、今後の世界経済の行方を展望する。
目次
序章 世界を揺さぶる米中経済関係
第1章 米中経済関係はどうつむがれてきたか
第2章 米中間の貿易・金融・通貨関係はどう変わってきたか
第3章 激しさを見せた米中間の経済摩擦
第4章 リーマンショックの到来と米中経済関係
終章 ネオブロック化する米中経済関係と日本
著者等紹介
大森拓磨[オオモリタクマ]
1972年生まれ。現在、新潟大学大学院現代社会文化研究科・経済学部准教授。博士(経済学)。専門は理論経済学・アメリカ経済論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Kazuo
4
2000年代以降、米中関係が世界に動きに重大な影響を与えるようになっているが、その歴史は実は長く深い。米中関係は、密接な経済関係と、同盟を持たずに牽制しあう安全保障政治関係と言う、相反した2つの関係性を一緒に巻き込む特異な性格が形成されてきた。しかし、中国が保有する米国債は中長期ものが多く、米中間で長期的なパートナーシップが構築されていることを意味している。日本は中国に距離が近いアジアの強国でありながら、米国の同盟国であるという立場から両国のキャスティングボードを握る立場にあるのだが全く活かせていない。2017/10/01