出版社内容情報
平安時代半ば、中国文化による圧倒的な影響を脱して生まれたとされる日本独自の「国風文化」。だが近年その理解は大きく変化している。「唐」と「和」の関係は、実際にはいかなるものだったか。いつ始まり終わったのか。美術・文学作品の具体的な変容をたどり、また朝鮮半島ほか近隣地域との比較を通じて、その真相に迫る。
目次
“国風文化”への招待(吉川真司)
国風文化の構造(佐藤全敏)
唐滅亡後の東アジアの文化再編(河上麻由子)
国風文化期の美術―その成立と特徴(皿井舞)
王朝物語の創始と継承(金光桂子)
文の声、読みのあや―漢詩文における国風文化(ブライアン・スタイニンガー)
座談会 “国風文化”とは何か(吉川真司・佐藤全敏・河上麻由子・皿井舞・金光桂子・河尻秋生)
著者等紹介
吉村武彦[ヨシムラタケヒコ]
1945年生。明治大学名誉教授。日本古代史
吉川真司[ヨシカワシンジ]
1960年生。京都大学教授。日本古代史
河尻秋生[カワジリアキオ]
1961年生。早稲田大学教授。日本古代史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
- 評価
-
akky本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tnk
1
河上麻由子「唐滅亡後の東アジアの文化再編」だけ部分読。日本の国風文化期に並行する朝鮮と北ベトナムの研究から「周辺国家に多大な影響を与えた帝国が崩壊した後、残された者たちが滅んだ帝国の文化を継承すること、また文化の継承によって王権の正統性を主張することは世界史で普遍的に認められる」。見習うべき視点ながら、力量が問われる2022/12/29
はやみん
0
「古代史をひらく」シリーズの最終巻は古くて新しい「国風文化」の問題。歴史、美術、文学、建築など横断的に取り組まないと説得力のある議論はできないだろうなぁと思うので、文化史は生半可な気持ちではできないと思った次第。 このシリーズは全体として意欲的な論考が多くて面白かったけど、特に本巻と前巻「文字とことば」が個人的には興味深かった。自分があんまり文化史的な議論に触れてこなかったっていうのもあるかもしれないが、文化史を文化史の枠内で終わらせない、他分野への発展性を感じる議論は面白いと思った。2021/04/04
-
- 和書
- ジャニーズ恋愛相関図