出版社内容情報
若者が,自分たちの声や主張をより広い領域に向けて届けたり,現在の苦境を乗り越えようとするとき,手がかりとなるのは何だろう.本書は,バンド,同人誌サークル,ファンクラブ,サポーターなどの「趣味縁」をきっかけに,好きになれない相手とさえ必要に応じて協力関係を築きながら社会に参加する若者たちの姿を描く.
内容説明
「趣味縁」の可能性とは何か。国家でも会社でも家族でもなく、私的な趣味のつきあいのなかに、若者が政治や公共性へとつながる密かな通路があるのだとしたら、それはどのようなものなのだろう。本書は、社会関係資本論を考察の補助線にしながら、近世にまで遡る趣味縁研究の歴史を手がかりに、さらに韓国の若者との比較を含めた調査データを分析することで、この問に迫っていく。
目次
1 社会参加・公共性・趣味縁(社会参加と公共性;濃密化する友人関係;ウェブ的自己と関係優先志向;公共圏にかかわる諸問題の浮上)
2 社会関係資本としての趣味縁(社会関係資本論とは何か;社会関係資本としての趣味縁;趣味縁の求心力;社会関係資本論への批判)
3 趣味縁と社会参加、その歴史(江戸時代の趣味縁;サークル運動の隆盛;楽しみとしての社交;オタクの公共性)
4 趣味縁の潜在力とは何か―調査データから考える(趣味縁調査;趣味縁の概観;趣味縁の効果;集団以外の効果;趣味縁の現在とこれから)
著者等紹介
浅野智彦[アサノトモヒコ]
1964年生まれ。東京学芸大学准教授。社会学(自己論、アイデンティティ論、物語論)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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