内容説明
鴎外留学中の来簡はほぼ完全な形で日本に持ち帰られた。ハーバード大学での修業時代以来、著者が三十年鍛え抜いた原資料解読の腕前を駆使して、弟篤次郎、上官石黒忠悳軍医監の膨大な未公刊書簡をはじめ、数々の未知の資料を読み解き、ドイツへ行った鴎外を軸に、篤次郎、石黒、妹喜美子、親類西周、友人賀古鶴所等周辺の人々の織りなす人間模様を、常々通快無類の文章で描き上げた。
目次
第1章 ベルリンへ
第2章 不朽或ハ期ス可キカ
第3章 来責府深谿街賃舎楼上
第4章 喜美子の入学
第5章 鵠山城外の雲
第6章 カールスルーエの英雄
第7章 喜美子の結婚
第8章 ベルリンの恋
著者等紹介
中井義幸[ナカイヨシユキ]
1936年台湾台南州斗六街生れ。東京大学文学部仏文科卒。大学院修士課程、パリ大学院を経て、ハーバード大学院で、74年博士号(Ph.D.)修得。オレゴン大学助教授、成蹊大学教授を経て、91年、東京藝術大学音楽学部教授。2004年、帝京大学教授。現在は東京藝術大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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