出版社内容情報
国民党幹部・邵元冲と張黙君夫妻,中国国歌の作曲家・聶耳――近代日本は三人の眼にどのように映ったのか.
久保 亨[クボ トオル]
著・文・その他
内容説明
「義勇軍行進曲」の背後には大きな世界が広がっていた。中国国民党幹部・邵元冲と張黙君夫妻、のちの中国国歌の作曲者・聶耳―日本と深い関係をもつ三人の眼を通して、日中関係の原点を問い直す。
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感想・レビュー
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さとうしん
8
中国の国歌「義勇軍行進曲」の作曲者聶耳、国民党政権の文化政策や映画の統制を担った邵元冲、その妻張黙君と、日本留学経験のある三人を中心に描く近代日中関係史。日本が中国にとって近代社会や文化を学ぶ入り口の役割を担ったこと、日本が中国を下に置き、日本への反発が強まっても、なお日本への関心を持ち続けたこと、日本側からも少数ながら現実の中国を認識し、正当に評価しようとしたさまが描かれる。相互不信の空気の中で相互認識を求める動きがあったのは、最後に著者が示唆するように、確かに現在の日中関係とも重ねられるかもしれない。2019/06/09
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