出版社内容情報
満洲事変に始まるアジア太平洋戦争の時代――1930年代から40年代にかけて,多くの文学者が戦地に動員された.武田泰淳・火野葦平・宮柊二・田村泰次郎らの中国戦線での足跡をたどる一方,上海で生まれ長崎で被爆した林京子をはじめ原民喜・井伏鱒二・安西冬衛・高見順ら戦争の時代を生き抜いた文学者の実像を探る.
内容説明
満州事変に始まるアジア太平洋戦争の時代―一九三〇年代から四〇年代にかけて、多くの文学者が戦地に動員された。武田泰淳・火野葦平・宮柊二・田村泰次郎らの中国戦線、高見順・野間宏・阿部知二・加藤道夫らの南方戦線での足跡を克明にたどる。また、当時「外地」といわれた中国でこの時代を過した林京子・清岡卓行・三木卓・加藤幸子らの少年・少女時代の体験と後の文学活動の関連を探り、「ヒロシマ・ナガサキ」の悲劇が生みだした井伏鱒二・原民喜らの原爆文学に及ぶ。
目次
第31章 火野葦平の戦場
第32章 山西省の戦闘 田村泰次郎、洲之内徹、宮柊二
第33章 武田泰淳と安徽省のK村
第34章 文士とアジア
第35章 少年少女たちの外地―大連・新京・北京・ソロン
第36章 上海の路地と長崎の道
第37章 「一つの嘆き」と「無数の嘆き」
第38章 井伏鱒二と広島
著者等紹介
川西政明[カワニシマサアキ]
1941年大阪府生まれ。中央大学卒業。文芸評論家。足かけ40年間筆一本の評論活動を続けてきた。著書に、『わが幻の国』(講談社、平林たい子文学賞)、『武田泰淳伝』(講談社、伊藤整文学賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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