出版社内容情報
信仰と理性,経験と言語への問いをめぐるイスラームとラテン中世──宗教的思考や倫理思想において,共同性と公共空間の問題は,どのような形と位置とを与えられてきたのだろうか.プラトン受容の比較を軸として,言語観と政治哲学の変容の道筋をたどる.そこには,思想史像を揺るがす,厳しい対決とダイナミックな生成があった.
内容説明
共同体の法と倫理を告げる言葉は、「宗教と政治」の翻訳不可能な関係から立ち上がった。ポリスの哲学とイスラームの法―異質な公共圏の思想を突き合わせ、政教分離の実相に迫る。
目次
ギリシア政治哲学のイスラーム政治哲学への影響―ファーラービーを中心にして
1 倫理思想・政治思想(イスラーム哲学における快楽論;トマス・アクィナスの倫理学;初期イスラーム思想における理性主義的人間観と宗教倫理―アブドゥル・ジャッバールのタクリーフ論;オッカムの政治哲学)
2 言語とアレゴリー(倫理学は普遍的か―アッバース朝期における論理学者と文法学者の論争;トマスの言語哲学;イブン・シーナーの寓意物語;トロープからナラティヴへ―西洋中世におけるアレゴリーの展開)
討議 宗教と政治―プラトン主義の受容とイスラームの法
著者等紹介
竹下政孝[タケシタマサタカ]
1948年生まれ。専攻、イスラーム哲学・神秘主義思想。東京大学大学院人文社会系研究科教授
山内志朗[ヤマウチシロウ]
1957年生まれ。専攻、中世哲学。慶應義塾大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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