著者等紹介
河島英昭[カワシマヒデアキ]
1933年東京に生まれる。東京外国語大学イタリア語学科卒業。東京外国語大学名誉教授。イタリアの文学経験を日本に根付かせるべく、数多くの作品を翻訳し、批評活動を行なってきた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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うぼん
1
詩人パヴェーゼの乾いた散文が好きだ。ファッショ時代の殺伐とした非情世界と詩的で繊細な情景描写には違和感がなく、それが妙にリアルで惹き込まれる。とはいえ河島先生の翻訳の癖、「よいのだよ」「よいのよ」といった口語化されない会話文には都度つど引っ掛かった。60年代当時の日本語でも「いいんだよ」「いいのよ」が一般的な翻訳だったはずだ。音便化されない格助詞の「の」が辛い。また、伊語特有のフォーマル話法(敬語)の翻訳も、貴族なら「なさる」でも良いと思うが、30〜40年代の庶民会話なら丁寧語程度の言い換えでいいと思う。2023/05/10