内容説明
東京都は日本の首都であり日本一の大都会であるが同時に世界的な「巨大都市」でもある。昭和二〇年から昭和三一年までの人口増加率をみると、人口四二万の都市を毎年一つずつのみこんできた計算になる。この大都会で生活すると人間は肉体的にも精神的にも子か孫の代で死滅するとまで言われながら、東京都はますます膨脹するばかりだ。それだけに、ここにはあらゆる矛盾と明暗が雑居し、常に新しい問題を提起している。その様相は日本の縮図でもある。この小冊子では、主として東京都の自然環境と歴史に照らしながらその複雑な表情をとらえようとした。
目次
自然
江戸城ができるまで
江戸から東京へ
首都東京
商工業
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
がんぞ
5
昭和31年。「一時さびれた靖国神社も人出が復活してきた」終戦直後は鎮魂どころでなかっただろう。占領軍は「主な建物は占領軍専用として接収し」莫大な占領経費(国家予算の1割以上)を取り立てる一方「預金封鎖」解除の後も軍人恩給弔慰金などは支払わせなかった。戦犯追求もあり。「戦前122万戸あった住宅が戦災により61万戸に。十年後には159万戸に復興したが人口は2倍強820万人。同居世帯11万、過密住宅{一人2畳未満}24万、老朽{バラック建築は壊れかけ}3万六千、非住宅{工場倉庫など}2万∋住宅不足40万戸」嗚呼2016/04/10