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ゲド戦記〈4〉帰還

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  • サイズ B6判/ページ数 381p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000280747
  • NDC分類 K933
  • Cコード C0097

内容説明

魔法の力を使い果たしたゲドは故郷ゴント島に戻り、テナーと再会する。大火傷を負った少女も加えての共同生活が軌道にのりだした頃、三人は領主の館をめぐる陰謀に巻き込まれてゆく。太古の魔法を受け継ぐのは誰か。

著者等紹介

ル=グウィン,アーシュラ・K.[ルグウィン,アーシュラK.][Le Guin,Ursula K.]
アメリカの作家。1929年、カリフォルニア州バークレー生まれ。父は人類学者A.L.クローバー、母は『イシ』の著者シオドーラ・クローバー。『闇の左手』をはじめとする大人向けSFでヒューゴー賞、ネビュラ賞をはじめ数々の賞に輝く。「ゲド戦記」シリーズでファン層を飛躍的に広げた

清水真砂子[シミズマサコ]
1941年、朝鮮生まれ。青山学院女子短期大学教授。「ゲド戦記」シリーズなど、訳書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

338
当初は3部作として構想されていた『ゲド戦記』は、第3巻「さいはての島へ」で完結したはずだった。ところが、それから18年の歳月を経てこの巻が書かれることになった。すなわち、ル・グインに内在する作家的欲求がこれを書かせたのである。この巻は大きく2つの事柄を新たに提示する。まず、その第一は大魔法使いや王といった、これまでの男たちの物語から、ここでは男性優位社会で虐げられてきた女たちの物語がが語られることだ。そして、もう一つが世代交代による継承である。邦訳題は「帰還」となっているが、原題は”TEHANU"であり⇒2017/08/22

ケイ

115
3巻からこの4巻までは刊行に15年以上かかったようだが、物語の中では3巻の終わりからこの話はすぐ続いている。3巻の終わりで魔法の力を使い果たしぐったりしたまま竜の背中に乗せられたゲドは、2巻の終わりで別れたテナーの元へあらわれ看病されることになる。テナーの元にはテルーという半分焼かれた少女。最後にまた竜の登場が嬉しかった。寡黙でいざという時に真に頼りになる、力強いこの竜が、私は登場人物の中で一番好きだ。次は外伝。一番分厚い。2016/06/20

藤月はな(灯れ松明の火)

90
余りにも身勝手で残虐な描写もあるが、私はゲド戦記でこの巻が好きだ。ささやかな幸せがある日常の光景の中に生まれやジェンダー、役割分担の間にある差別、それとの向き合い方などが詰まっているから。王に応えられない自分を見つめる事に耐えられないゲド。それに苛立ちつつも受け止めるゴハの関係性が印象深い。また、ちゃらんぽらんに見えて真理を理解しているコケ婆が素敵だ。そしてテナー以外の女魔法使いがテルーを畏れた訳は・・・。それにしてもテナーが「女」である自分のことを侮る若い男の魔法使いに犬扱いされる場面には胸が悪くなる。2019/06/13

Willie the Wildcat

44
新たな時代の幕開け。運命と選択。得ることで失うもの、失うことで得るもの。変化への心のあり方の微調整。半生を振り返り、人生の意味と意義を問うゲドとテナー。戸惑いながら、互いを支えあい、たどり着いた新たな「家族」。コケばばの存在が印象的。一方、物心、両面での荒みからの再生途上故、疑問が呈されるロークの閉鎖性。カレシンの登場が明らかな転機。テルーが時代を切り拓く!?2015/08/30

世話役

20
『帰還』を読んだ当初、この巻は蛇足だと思った。ル=グウィンの政治的主張とその表出としてのテルーの凄惨な境遇、そして、力を失ったゲドの哀れな姿。この巻のゲドに大賢人の面影はもはやなく、無力な男に成り下がっている。3巻で本当の強さは魔法ではない旨語っておきながら、結局は魔法の力に依存していたことがわかる。他の主要人物もかつての輝きを失っており、皆が平凡以下になっている。ル=グウィンはせっかく紡いだ偉大な物語を自ら壊したいのかと思った。しかし、今はこれこそが本当の人間の強さの物語なのだと感じる(続く)2015/01/06

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