出版社内容情報
震災復興期に登場したジャズは、音楽的な流行に留まらず、ひろく人びとの感受性と思考を変革させる。映画、文学、ファッションなど、都市中間層を中心にアメリカ文化が受容されて行くなかで、ジャズは時代の文化の中心に位置して、新しい風俗すべてと結びあう。ジャズがもたらした日本社会の狂騒と混沌、そのありようを描く。
内容説明
第四巻では、都市中間層を中心としたアメリカ文化の受容、「ジャズ」るモダン・ニッポンの狂騒と混沌、その様相が叙述される。
目次
現地化するジャズ
第1部 本流・支流・傍流(ジャズ・エイジ;「青空」;ジャズ民謡;シンフォニック・ジャズ)
第2部 時代の共感覚(騒音;ナンセンス;ジャズ文学;ジャズ論争)
第3部 スウィングの時代(スウィング;笠置シヅ子;ジャズ喫茶;軽音楽;敵性音楽)
著者等紹介
細川周平[ホソカワシュウヘイ]
1955年生まれ。東京芸術大学大学院音楽研究科博士課程修了。現在、国際日本文化研究センター名誉教授。専門分野は近代日本音楽史、日系ブラジル文化史。著書に『遠きにありてつくるもの―日系ブラジル人の思い・ことば・芸能』(みすず書房、2008年、読売文学賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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takao
1
ふむ2024/10/20
水紗枝荒葉
0
シリーズ最終巻。本巻では「ジャズ」が時代の象徴だった1920年代ジャズ・エイジに始まり、スウィング時代のジャズ喫茶や服部良一=笠置シヅ子を辿りつつ、ジャズが軽音楽・敵性音楽と呼ばれるまでを扱う。要するに戦前ジャズのあらゆる側面を取り上げている。目線は作品内にも作品外にも行き届いており、日本の戦前ジャズを扱った1冊として今後必読書になるだろう。にもかかわらず知名度が低いのは、シリーズ最終巻なのと、1冊毎の価格設定が高すぎるせいだろうか。廉価版がつとに望まれる。2024/06/01
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- 和書
- 心理学 (改訂版)