内容説明
人類の歴史のなかで、戦争を始めたのはごく最近のこと。人間には「殺しの本能」はなく、戦争は必ずやめられる―。著者のこの主張の出発点には、弥生時代の集落で鏃の顕著な重量化を発見した若き日の研究があった。長く狩猟に使われた鏃が、なぜ武器に転じたのか。社会の変化を読み解き、世界各地での戦争の起源の考察へと発展した論考を収める。
目次
ヒトはいつ戦い始めたか
1 武器論(石製武器の発達;かつて戦争があった―石鏃の変質;石弾・土弾研究の近況 ほか)
2 戦争の起源(日本・世界の戦争の起源;世界の戦争考古学)
3 戦争と社会(農業の開始と階級社会の形成;大和川と淀川;家畜・奴隷・王墓・戦争―世界の中の日本)
著者等紹介
佐原真[サハラマコト]
1932年、大阪に生まれる。幼稚園のとき土器片を拾ったことから考古学の道に。大阪外国語大学ドイツ語学科を経て、64年京都大学大学院博士課程修了。外国文献、関連諸学への広い視野をもつ。奈良国立文化財研究所勤務の後、国立歴史民俗博物館に移り、97~2001年、同館館長。考古学の知見を現代の生活に結びつけ、分かりやすく語り続けた。02年逝去
金関恕[カナセキヒロシ]
1927年生まれ。大阪府立弥生文化博物館館長
春成秀爾[ハルナリヒデジ]
1942年生まれ。国立歴史民俗博物館教授
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