内容説明
和歌の以前にウタがあり、和歌の周辺にウタはあり続けた。民俗・宗教的な世界との出会いは、和歌の姿をどのように変容させたのか。その接触と離散の様相をさぐる。
目次
呪術と呪歌の論理
1 和歌と民俗・伝承(神語りとウタ―その始原を求めて;歌人伝説と和歌―和泉式部・小式部そして紫式部の場合;歌掛けの民俗誌―短歌成立史における民間歌謡の位置)
2 和歌と宗教儀礼(祝詞と和歌―中世神道をめぐって;仏教儀礼と和歌―〈法会文芸〉として;陰陽道と和歌)
3 和歌から呪歌へ(修験道の呪歌;呪歌と民俗―夢見の呪歌とその伝承;神詠と呪歌―室町時代を中心に)
著者等紹介
花部英雄[ハナベヒデオ]
1950年生まれ。専攻、伝承文学、口承文芸。國學院大學文学部助教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ヤクーツクのハチコ
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和歌が民間のまじないフレーズや修験道、仏教の一部にもなったという説明で「ふーん知らなかったー」と最初に思っていたが、子供のころの村落共同体の行事の一環、関西圏特融(?)の「ご詠歌」ってまさにそれじゃないか!と後から思い至る。「ふるさとや」という5文字を「ふーうぅるうううう、うさーああとーおお」の独特の節回し、郷愁とともにがっつり記憶されているあのリズムと音程。和歌を歌にして詠唱するとはああいうことだったのか。民俗学的世界に普通に生きていたことと、自分の子供世代はそんなもの全く知らないという、ほろびゆくみち2025/06/01
餅日和
0
20190605-07062016/07/06