内容説明
和歌のことばと図像とは、相互に補い合いながらさまざまな形象を生み出してきた。屏風絵や浮世絵などの絵画をはじめ、工芸品の意匠、和菓子、小袖の紋様など、図像的なものの随所に和歌の美意識は投影されている。図像との接触は和歌の姿をどのように変えたのか。美術史研究と連携しつつ、和歌の図像学を探究する。
目次
和歌と絵画が出逢う時
1 表象を創る和歌(「琳派」の造形と和歌的美意識;和菓子・五感で味わう歌心;祝祭空間“吉原”と和歌)
2 人物を描く和歌(歌仙絵の世界―業兼本図様の成立と展開を中心に;人麿影と讃の歌;浮世絵美人画と和歌―錦絵にみる文学性)
3 風景を見る和歌(瀟湘八景図と和歌;浮世絵の名所絵と和歌;桜画と和歌―三熊派・広瀬花隠と三十六花撰)