出版社内容情報
数学で本当に大事なことがわかる一冊! 数学者の思考法とは,複雑なものを単純に,ルールに従って運用すること.そうすれば一見不可解な概念も,決して怖くはありません.数学への見方が変わること請け合いです.
内容説明
数学を組み立てる考え方とはどのようなものなのでしょうか。いったい数学者はどんなことを考えているのでしょうか。よく「数学は抽象的な学問だ」と言われますが、それは決して、数学が謎めいた秘義であるという意味ではありません。抽象とは、自由に考えるための道具立てなのです。考え方のコツをつかめば、「無限」や「26次元」などといった用語は不可解なものではなくなります。数学界でもっとも栄誉あるフィールズ賞を受賞した著者が、数学を支える重要な考え方を紹介します。
目次
1 モデル
2 数と抽象
3 証明
4 極限と無限
5 次元
6 幾何学
7 概算と近似
8 数学に関するよくある質問
著者等紹介
ガウアーズ,ティモシー[ガウアーズ,ティモシー][Gowers,Timothy]
ケンブリッジ大学の数学のラウズ・ボール教授。数学界でもっとも栄誉あるフィールズ賞を受賞
青木薫[アオキカオル]
1956年生。翻訳家。理学博士(理論物理学)
上野健爾[ウエノケンジ]
1945年生。京都大学大学院理学研究科教授(数学)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
小川一輝
3
数学嫌いで苦手意識しかないのになぜだか周期的に挑戦したくなる性なので今回はこの本に挑戦。♪あぁ分からない分からない今の数学分からないと唄の一つも口ずさんでみたくなるこの頃であるがやはり本書でもそれは変わらず。「一度解いてみれば(といって解こうとする人はほとんどいない)」という指摘にギクッ(笑)でも概算の項で数学者もどこまでも精密に数字を扱っているわけではないと知ってちょっと親密感?2017/10/27
kizz
3
このとこと頭がどうかしそうな方の数学の本が多かったので、コレは非常にわかり易い。算数ばかりが数学じゃないのよという布教?本かもw2008/11/12
陽香
2
200406082016/02/14
Ikkoku-Kan Is Forever..!!
2
理系というのは(-1)×(-1)=1(注)をすんなりと理解する人間のことだとこの本を読んで思った。「数とは何か」を考える哲学者と数を「自明」とする数学者の違いとは何か、という問いに筆者は「数学的対象は、それが何を為すかによって規定される」という数学的思考を示す。内田義彦は「学問はメガネだ」と言ったが、それは「このメガネを掛けるとこんな世界がみえる」という意味だ。「世界」について裸眼で対象そのものの実体を思考するのではなく対象と方法の関係を思考するなかで世界を問うこと。それが「抽象」という概念の本質である。2016/01/21
ろあ
2
幾何学の章が面白かった。数学も論理を用いている以上、公理という最低限の取り決めを採用している。故にユークリッド幾何学、ひいてはそこから自明だと考えられている定理(三角形の内角の和は180°など)は必ずしも自明でない。一方、公理をスタートに階層的に成り立つ膨大な定理や公式の素晴らしさ。平易な文章で書かれており、読みやすかった。2013/07/30
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- 和書
- 純粋欲望