出版社内容情報
アジアとは何か.アジア観の相克を歴史的,文化的に根底から問い,心象地理から運輸,通信までの現代アジアの多層的,ネットワーク的空間を考察する.変貌するアジアのアジア化と脱アジア化の現実に迫る.
内容説明
沸き立つアジア、破壊の辛酸をなめつつあるアジア、そして新しい息吹のなかで燃え出づるアジア、こうしたいくつもの断片に散乱しかねないアジアを、それでもアジアとして結びつけるものは何なのか。本巻は、そんな問いに促されつつ、「空間」を手がかりにアジアの多面的な変容のプロセスと、その歴史を探る。
目次
総合討論 今、問い直す認識課題としてのアジア―近代化・冷戦・グローバル化を経て
1 空間へのまなざし(空間アジアをめぐる認識の拡張と変容;生態学的アジア地図 ほか)
2 交通としてのアジアの変容(グローバルな中心性のゆくえ―インターシティ地理学の編成;陸路・鉄道―つながるアジアとヨーロッパ ほか)
3 ランドマークとしてのアジア(平壌―北朝鮮における「主体」護持の意志と表象空間;天安門広場―記憶、ナショナル/インターナショナル・ヒストリー ほか)
著者等紹介
青木保[アオキタモツ]
1938年生。政策研究大学院大学教授
姜尚中[カンサンジュン]
1950年生。東京大学社会情報研究所教授
小杉泰[コスギヤスシ]
1953年生。京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科教授
坂元ひろ子[サカモトヒロコ]
1950年生。一橋大学大学院社会学研究科教授
山室信一[ヤマムロシンイチ]
1951年生。教徒大学人文科学研究所教授
四方田犬彦[ヨモタイヌヒコ]
1953年生。明治学院大学文学部芸術学科教授
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