出版社内容情報
企業の動向を理解せずに経済の実態を語ることはできない.日本を代表する経済学者の手になる本書は,現代企業の新しい理論を提示する画期的な労作である.まず新古典派の企業理論の限界を明らかにし,代案として経営陣と従業員の協調に基づく経営参加モデルを構築する.国内外の企業の実情をふまえ展望を示した本書の意義は実に大きい.
内容説明
企業(産業組織)の動向を理解せずに経済の実態を語ることはできない。新古典派の企業理論の限界を明らかにし、九〇年代のコーポレート・ガバナンス論の先駆的業績となった本書をもって、著者は産業組織の国際比較への道を切り開いた。
目次
第1部 伝統的企業理論を再考する(ブラック・ボックスの内側―新古典派的企業理論をめぐって;経営者の役割―経営主義理論をめぐって;産業民主主義のジレンマ―労働者管理企業の理論をめぐって)
第2部 企業の協調ゲームモデル(組織均衡;効率的交渉と非効率的交渉(レイオフの場合;従業員ヒエラルキーの場合))
第3部 企業法モデルの比較効率分析(制度的効率性;株主主権=団体交渉モデル;経営参加モデル;コーポラティヴな経営主義モデル)