内容説明
「いま」を確かめ、「未来」を探りたいという思いから、著者は歴史学の自己点検を続けてきた。歴史学は、人びとの歴史意識と、どのように切り結んできたのか。同時代の歴史意識を追求した論考と、敬慕する歴史家たちを描いた論考とを合わせて、著者の「歴史学への問いかけ」を集成する。
目次
1 「鳥島」は入っているか(歴史学の自己点検;「戦後」意識の現在;人間論の現在)
2 化生する歴史学(化生する歴史学;自明性の解体のなかで;「わたしたち」をいかに回復するか)
3 問いかけの史学(E.H.ノーマン―クリオの使者;鶴見良行―アジア学への旅立ち;黒羽清隆―「民衆」史と「庶民」史を架橋する;家永三郎―求道の思想史学;西岡虎之助―民衆史家の風貌)