岩波セミナーブックス
パスカル『パンセ』を読む

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  • サイズ B6判/ページ数 252,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000266000
  • NDC分類 135.2
  • Cコード C0310

出版社内容情報

『パンセ』とはなにか.没後に残されたこの草稿の編纂物からパスカルの構想した「キリスト教護教論」の姿を追究し,『パンセ』の精髄とパスカルの思索の淵源に鋭く迫り明快に解きほぐす.犀利な哲学的思惟が躍動する!

内容説明

『パンセ』とはなにか。また『パンセ』を読むとはどういうことか。没後に残されたこの草稿の編纂物の様態を俯瞰し解きほぐし、テクストそれ自体が発信する方向と意味を手繰り吟味しながら、パスカルの構想した「キリスト教護教論」の全容に迫ってゆく。そしてパスカルの「信仰」という営為そのものへと未踏の考察を進める。補遺として、信仰をめぐり「賭」の対象となる神を扱った断章を、いまここに併せて論じる。

目次

第1章 『パンセ』という書物は存在するか
第2章 『キリスト教護教論』の構想
第3章 「キリスト教護教論」の此方―人間学と政治学
第4章 「キリスト教護教論」の彼方―信仰とは何か
補遺 「賭」の断章をめぐって

著者等紹介

塩川徹也[シオカワテツヤ]
1945年生まれ。フランス文学・思想。東京大学教養学部教養学科卒業。パリ・ソルボンヌ大学第三期課程博士号取得。現在、東京大学文学部教授。著書に『パスカル 奇蹟と表徴』(岩波書店、1985年)『虹と秘蹟―パスカル〈見えないもの〉の認識』(岩波書店、1993年)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

136
少しパスカルについての知識を確認しようと思い、パスカル本人の作品ではなく解説書を再読してみました。ただやはりキリスト教との関連などを知らないとかなり理解は難しいと感じました。パンセはある意味パスカルの覚書のようなものなのでしょうね。彼の知識の断片をその時々に応じてメモしていたものをまとめたものなのでしょう。彼の思想の全貌やキリスト教の基本を理解しないと大変だということがわかりました。2017/03/03

左手爆弾

3
入門書のつもりで書いたのだろうが、非常にレベルが高い。『パンセ』のテクストの成立事情——メモ用紙の束——から、キリスト教護教論という1つのシナリオを取り出し、それに沿ってパスカルがアナグラム的な偽名で書こうとした思想を論じる。パスカルは自然の堕落、神なき人間の惨めさを説き、理性の他に権威による認識を挙げる。興味深いのは、筆者がキリスト教共同体論との関わりでパスカルの政治学を取り上げているところ。人間は欲望と想像力によって結合する。理性的・現実的な視点を持ちつつもやはり熱狂的なキリスト者というのがなんとも。2015/06/08

マウンテンゴリラ

2
万能的天才にして卓越した思想家、そして敬虔なキリスト教信者といったパスカルの代表的著作という一般的興味のもと、かつて『パンセ』を読んでみたことはあるが、個々の断章が難解な上、各々の繋がりが不明確であるという印象しか持てなかった。本書を読むことによって、あらためて解説書の役割が私のような一般読者にとって、大きなものを担っているということを認識させられた。『パンセ』という著作の性格が、キリスト教護教論であるということは当時もなんとなく感じることができたが、それが中心テーマであり、遺稿として、→(2) 2014/01/21

148

1
パンセを読もうとしても、パスカルの言っていることがわからず何度も挫折するので、全体像をまず掴むために読みました。なるほど、こういう事情があることを把握していないと、理解できないのは当然ですね。日本においてパスカルがキリスト教の文脈で語られることは少ない(とくにパンセは、箴言集として人気が高いような)気がするのでくが、なぜなのでしょうね。2015/06/08

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