出版社内容情報
「文化,それは柔らかいものなのである」.日々生産される記号やテクノクラシーの合理性の間隙をぬって,絶えず生き生きと流動する文化の始原の活力を把握するために,新たな批評実践のプログラムを提示する.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
★★★★★
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フランスの歴史家、セルトーによる五月革命論。大学や国家に独占されていた、権力の体系としての文化が大衆に向けて流れ出したとき、それでも形を変えて権威を保存する文化。それに風穴を開けるべく、われわれが取るべき戦略とは!という内容だと思って読んでいたんですけれど、あってるのかしら???「文化」の定義が私の親しんでいるそれと微妙に違うせいか、ちょいと理解しきれなかった感じですかね。2009/12/09
しんだもずく
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政府の援助のもと行った文化調査をまとめたもの、という位置付け(『日常的実践のポイエティーク』も同じ)の本だったと思うが、それでタイトルが『複数形の文化』なので捻くれているというか気が利いているというか(邦題はなんで『文化の政治学』なんてつまらなそうなタイトルなんだろ)。日実ポと比べて華やかさとか祝祭感みたいなものは控えめ(黙示録的な感じもする)だが、個別具体的なテーマをまとめたアンソロジーみたいになってるのでそれぞれ異常に切れ味の鋭い視線とアクロバシーを見ることができて嬉しい。2021/12/07