出版社内容情報
「我々自身のものではない理解を我々が理解するとはどういうことか」.固有の知の領域への内在を説いた表題作のほか,脱領域的な文化批評の実践を集成し,解釈人類学の文化理論としての可能性を切り開く.
感想・レビュー
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壱萬弐仟縁
10
1983年初出。社会科学者が<社会技術者>的な考え方が疑問にさらされているとすれば、人文学者が何であるかについての<文化の番犬>的な考え方は強い疑問に付される(58頁)。人類学の学際性が語られている。「芸術の研究とは感受性の探究であり、そのような感受性は本質的に集団的な形成物であり、またそのような形成物の土台はそれが社会に存在しているという事実と同じくらい広く深い」(171頁)。「地方固有の知識」が書名の邦訳(290頁)。アダット(合意の共同体306頁)は慣習(351頁)。慣習という目に見えない文化の実。2013/11/19