内容説明
科学/技術の未来に向けて、期待と不安が錯綜している。膨大な科学予算が投下され、専門化と実用化が進むいっぽう、若者の科学離れが叫ばれる。科学/技術の進歩が引き起こす様々な社会問題に、科学者は目を背けてはいないか。科学/技術の研究現場に足場を置きつつ、社会と科学を架橋するための創意に富んだ提言。
目次
第1部 科学書を読んで考える科学/技術の二一世紀(迷路の中の科学/技術;理科系を解体する―理学知・工学知・知識のモード;創造性豊かな社会を作るために―歴史からのアプローチ;危機に立つ科学史・科学哲学)
第2部 科学技術社会論の挑戦(科学者論は科学者論に留まれるか?;科学論再考 科学における平等と公正)
著者等紹介
中島秀人[ナカジマヒデト]
1956年東京生まれ。東京大学教養学部教養学科卒業。東京大学大学院理学系研究科・科学史・科学基礎論博士課程満期退学。東京大学先端科学技術研究センター助手、ロンドン大学インペリアルカレッジ客員研究員を経て、1995年より東京工業大学大学院社会理工学研究科助教授(2005‐06年ブダペスト高等科学研究所客員研究員)。主な著書に『ロバート・フック ニュートンに消された男』(朝日新聞社、1996年、大佛次郎賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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オランジーナ@
1
科学技術社会論は比較的若い学問であることがわかりました。かなり読みごたえがあって読後感は良かった。科学と相対主義の話が興味深かった。2015/05/03
stafy77
0
幅広い視点で科学、技術について論じている。科学者のそれぞれの研究ジャンルから環境問題のような広い範囲での研究が必要なところに科学は向かうのか…。反証できない怪しい科学についての本をこの前読んだけれど、人類社会が望む方向に科学は発展する…のかなぁ。2013/12/16
saku_taka
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サントリー学芸賞受賞作。既発表のものを集めているが,科学技術と社会の問題を考えるうえで広い視野で,また興味深く書かれている。科学技術社会論の1冊。2013/05/15