出版社内容情報
宗教は「人類救済」の理念のもと,女性の果たした宗教史上の役割を葬り去るばかりか,隷属させ,虐待してきたのではないか? 最新のフェミニズム宗教批判が目指す,暴力や差別を超える神学の可能性とは?
目次
第1章 キリスト教において暴力の犠牲者は誰か
第2章 仏教は非暴力的か
第3章 イスラームのフェミニズムがめざすもの
第4章 新たな宗教的動向
第5章 宗教は差別や暴力を超えられるか
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
どり
1
様々な宗教が暴力的で女性差別的だと説明した良著。聖職者たちが、曖昧な聖典を女性を抑圧するように解釈し、ミソジニー的な女性観を形成させ、伝統や儀式を作り上げたと書いた。マリアの処女性、イスラム女性の抑圧、仏教では変性男子や性行為で男を救う観音の話、また差別的な宗教言説が女性の強い自己否定観形成に貢献したという話が印象的。女性差別的な教義は、女性差別を正当化するためのストーリー(女性は「穢れ」だから聖なる空間に入れない、など)だという説明も面白い。宗教的空間で女性が連帯し権利を勝ち取ったという話も興味深い。2022/08/21
skq
0
キリスト教関連部のみ読了。現在に至るまでの女性の苦しみについて記述されている。聖書内のそれぞれの記述が何を意味し、どのような影響があったのか、さらに詳しく知りたい。2015/07/08