出版社内容情報
教育行政制度についての概説や,教育関係法規の解釈論ではなく,現実の生きた教育行政=制度の動態を明らかにする学問として教育行政学を再構築する.実際に教育に携わる人々にも有益な,画期的な教科書である.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
katoyann
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学校の正統性が疑われている状況を鑑み、子どもの個性に即した教育の多様化を提言した本である。学校を絶対善とし、教職員の専門家的独善性を肯定する日本独特の状況の発生原因を、思想レベルでは堀尾輝久と兼子仁がリードしてきた「国民の教育権」の理論問題に、法律的には地教行法成立による教育に対する市民統制の喪失にそれぞれ求めている。 ラディカルと言えるのは、アメリカのスモールスクール構想に範を求めつつ、子どもの個性に応じた教育の多様化を保障せよ、という提案だ。不登校が当たり前の時代に考えるべき教育保障の提案が示された。2021/05/09