目次
書物のイデアと形質
書物の自己完結性
啓典の民
終わりなき読書
未刊のものの出版
開かれ、閉じられた書物に
書店の香り
思考の取引
書物という素材
著者等紹介
ナンシー,ジャン=リュック[ナンシー,ジャンリュック] [Nancy,Jean‐Luc]
1940年、フランス・ボルドー生まれ。ストラスブール・マルク・ブロック大学名誉教授。ジャック・デリダの影響下で哲学的キャリアを開始。ドイツ・ロマン主義やナチズムの批判のほか、文学、宗教、芸術に及ぶ広範な領域で独自の思想を深化させてきた、現代フランスを代表する哲学者。フィリップ・ラクー=ラバルトとの共同研究でも知られる
西宮かおり[ニシミヤカオリ]
1971年生まれ。フランス国立社会科学高等研究院(EHESS)社会学博士課程単位取得退学、東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得退学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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紫羊
20
創業20周年を迎えた書店が顧客に贈るため、著者に執筆を依頼した本がベースになっている。いかにもありそうな哲学書のパロディといったところか。クールな装丁だがコスパ悪し。2018/09/30
いやしの本棚
19
書物を読むことは、書物を解体すること、あらたに描き直すこと ―そして読むという行為に、終わりはない。ずっと思っていたことが書かれていたので嬉しかった。著者の言う書店主(司書もきっとそれにあたると思う)、「書店主は、超越論的な読者である」というの、ジーン・ウルフ<新しい太陽の書>のウルタン師を思い出さずにいられなかった。「書店主とは書物の配達人」、それって「いずれの読者にもすべて、その人の図書を」って事だよね。「一冊の書物は、ひとつの宛て先、もしくはひとつの呼びかけである。」2017/08/24
けんとまん1007
12
書物。確かに、書物には不思議な力がある。自分の場合はめったにないが、再読という場合がある。ふと、読む途中で気づくことが多い。そして、思い出す。以前とは、違った読み方・感じ方をしていることに。もしかすると、1日違うだけでも、随分と違う場合があるのかもしれない。自分を写す鑑のようなものかも。そんな書物がある空間、書店、図書館。独特の空間であって、そこに漂う空気も違うように思っている。それにしても、書物とは不思議なものだ。2015/01/23
ふるい
9
開かれ、閉じられ、また開かれ…円環する書物。本は燃えても、本から分かたれたわれわれの思考は、燃えない。この本を読んで、書物の(書店の)不滅性をひしひしと感じました。2018/09/04
まっ黒大魔王
8
装丁は非常に好み、カッコイイ、中身は非常に難解。書物や書店についてのまさに考察なのだが、流石に岩波だから?なのか、一回読んだだけではまだ辿りつけない。2016/06/23