出版社内容情報
20世紀を代表する政治思想家、ハンナ・アーレント(1906~75)。彼女は、暴力は言葉を奪い、政治の死をもたらすと主張する一方で、人間が最も政治的になる究極の瞬間として戦争を賞賛し、しばしば読む者を混乱させた。彼女の戦争、暴力、政治概念を吟味し、多様な著作にちりばめられた戦争観を描き出す。
内容説明
二十世紀を代表する政治思想家、ハンナ・アーレント(一九〇六~七五)。彼女は、暴力は言葉を奪い、政治の死をもたらすと主張する一方で、人間が最も政治的になる究極の瞬間として戦争を讃え、しばしば読む者を混乱させた。暴力と権力、戦争と政治、偽善、嘘、人道主義…。アーレントが喚起した戦争をめぐる理論的問題を鮮やかに読み解き、国際関係論にその思想を位置づけた画期的論考。
目次
第1章 暴力と権力、政治と戦争
第2章 戦争において誰が開示されるのか―歴史、戦争、物語
第3章 ブーメラン効果―全体戦争の帝国主義的起源について
第4章 「無罪であることの危うさ」―戦争と法律
第5章 偽善に対する憤り―人権のためのリベラルな戦争
第6章 シュトラウス、嘘、イラク戦争を超えて―新保守主義批判
第7章 人道主義的条件?戦争とグローバルな公共性の構築について
著者等紹介
オーウェンズ,パトリシア[オーウェンズ,パトリシア] [Owens,Patricia]
1975年生まれ。サセックス大学国際関係学部リーダー(准教授)。専攻は国際関係論。2003年アベリストウィス大学より博士号取得。オックスフォード大学講師、ロンドン大学クィーンメアリー上級講師を経て、2011年より現職
中本義彦[ナカモトヨシヒコ]
1965年生まれ。静岡大学人文社会科学部教授。専攻は国際関係論
矢野久美子[ヤノクミコ]
1964年生まれ。フェリス女学院大学国際交流学部教授。専攻は思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。