親元暮らしという戦略―アコーディオン・ファミリーの時代

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  • サイズ B6判/ページ数 344p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000259262
  • NDC分類 367.3
  • Cコード C0036

内容説明

成人した若者が安定した雇用に就くことができず、親元で暮らすことを余儀なくされる。長引く不況の中で、先進諸国で広がっているこの現象を、著者は「アコーディオン・ファミリー」と名付けた。アコーディオンのように、家族は蛇腹を広げて舞い戻ってきた子どもたちを受け入れ、彼らが出て行くと蛇腹を縮める。そして、成人期、高齢期のあり方も変容を迫られている…。日本、アメリカ、イタリア、スペイン、スウェーデン、デンマークの六か国で三〇〇人ものインタビューを実施し、グローバル化時代の家族の生存戦略を考察した労作。

目次

第1章 「大人になる」とはどういうこと?
第2章 広がるアコーディオン・ファミリー
第3章 「大人」の実家暮らし
第4章 私は大丈夫、問題はあなた―アコーディオン・ファミリーをどうとらえるか
第5章 「巣」が空にならない時―親のジレンマ
第6章 パラダイスにだって悩みはある
第7章 出生率の低下と「移民の脅威」
終章 アコーディオン・ファミリーと政治―泥沼化か、それとも転換か

著者等紹介

ニューマン,キャサリン・S.[ニューマン,キャサリンS.] [Newman,Katherine S.]
カリフォルニア大学バークレー校、プリンストン大学等を経て、ジョンズ・ホプキンス大学教授。専攻は社会学、社会階層論。アメリカにおける貧困とワーキング・プア研究の第一人者

萩原久美子[ハギワラクミコ]
全国紙記者、東京大学社会科学研究所特任助教等を経て、下関市立大学経済学部教授。専攻は労働社会学、社会政策のジェンダー分析

桑島薫[クワジマカオル]
シカゴ大学大学院社会学研究科修士課程修了、現在、東京大学大学院総合文化研究科学術研究員。専攻は文化人類学。博士(学術)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Tadashi_N

22
自立と経済の間には、大きな関係がある。2015/08/06

阿呆った(旧・ことうら)

19
『グローバル化、出生率、移民、社会保障』の観点から、成人後も親元にいる若者について考察した本 ◆就職難・高等教育の需要増・住居費の高騰により、社会保障が弱い先進諸国で、自立の遅れが進んでいる。◆日本では、父親不在や母親の過保護の問題としても捉えられいる。◆一方で、南イタリア(農村)では、自立の遅れが歓迎されている。◆スペインでは、政府が労働者保護に乏しいことに不満増。◆アメリカの親は、子供が本当に努力しているのかチェックする。◆スウェーデンでは自立の遅れはないが、個人主義で、家族の連帯が希薄化している。2016/09/16

takao

2
ふむ2022/12/24

ぷくこ

2
「成人した若者が親元で暮らし続ける」という現象が、日本のみならず欧米でも近年見られるようになっている。この現象はグローバリズムに対して個々の家族が取る戦略であるのだが、国によりその受け止め方に違いがあるのが面白い。例えばイタリアでは親は子どもと暮らし続けることを楽しんでいるが、日本の親は「育て方を失敗したのでは」と自分を責める傾向がある、など。後半では出生率の低下や移民についても触れられているので、少子化について考えたい人は一読しておくべき本だと思う。2014/05/11

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