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政権交代を超えて―政治改革の20年

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  • サイズ B6判/ページ数 200p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784000259231
  • NDC分類 312.1
  • Cコード C0031

内容説明

二度の国政選挙で野党は総崩れ。とはいえ好況感のみに支えられた安倍首相の政権基盤は盤石ではない。もはや自民党は、五五年体制のころの、一党優位を当然視し、派閥力学によって疑似政権交代を繰り返してきた自民党ではない。一九九三年の細川政権誕生から、三年三カ月の民主党政権を経て、自民党返り咲きにいたる政治改革のこの二〇年。いったそれは、どのような不可逆的変化を日本政治にもたらしたのか。六〇代・四〇代・二〇代の三世代の政治学者が、座談会と政治改革のキーパーソンへのインタビューを行い、戦後の日本政治を回顧し、これからの日本政治を展望する論考を書き下ろす。

目次

第1部 座談会―政治学者三世代からみた政権交代の二〇年(現象が理論を覆してきた日本の政治;小泉改革は自民党版ニュー・レイバー;政治改革の二つの流れ ほか)
第2部 政治改革の要人インタビュー(亀井静香氏―土民の思想で地に足の着いた政治を;小沢一郎氏―旧体制=自民党に抗ってもう一つの選択肢を作る;細田博之氏―政権維持のためには毅然とした政策態度で ほか)
第3部 論考(終わらない「戦後」、終わらせる「戦後」―この二〇年を「戦後」で捉えたら;政治家の「世代交代」と二つの「政権交代」;ゼロ年代の政治文化と統治構造)

著者等紹介

御厨貴[ミクリヤタカシ]
1951年生。東京大学法学部卒。現在、東京大学先端科学技術研究センター客員教授。放送大学教授。青山学院大学特別招聘教授、日本政治史

牧原出[マキハライズル]
1967年生。東京大学法学部卒。現在、東京大学先端科学技術研究センター教授、行政学・政治学

佐藤信[サトウシン]
1988年生。東京大学法学部卒。現在、日本学術振興会特別研究員、東京大学大学院法学政治学研究科博士課程、東京大学先端科学技術研究センター交流研究生、日本政治外交史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おさむ

38
世代の違う3人の政治学者が1993年から20年間に及ぶ「政治改革」を検証する。インタビューや鼎談、論文から構成されており、飽きさせない。結局は冷戦が終結したにも関わらず、うまく政治が構造転換出来ていないという事。それがひいては経済や社会も変われずに課題が先送りされ続ける「平成史」になるんでしょう。理想主義者である小沢一郎のインタビューが率直で面白い。後世の評価は変わるかもしれませんね。日本橋に三越と高島屋があるような感覚がかつ2大政党制という例えがわかりやすかった。2016/10/19

壱萬参仟縁

12
佐藤先生は、議会の位置付けや役割の問い直しを指摘(28頁)。議会における言論の復活。そうでないと、有権者も傍聴しには行かないだろう。「日本を取り戻す」という自民党CMはイミフ(35頁)と御厨先生は指摘される。政権を取り戻すことなのだろうけども。時代に合わないのに、保守が改革を試みても看板をかけかえないといけないと思える。離党した人はマトモに思える。岡田克也氏インタビューでは、ガソリン税廃止などは辞めようとしました(107頁)とあるが、田舎の人間にはこの税金は要らないよ。過積載のトレーラー会社が負担すれば。2014/01/26

6
東大先端研の世代の異なる政治学者3名による本。3者の座談会+小沢一郎や谷垣禎一、辻元清美らへのインタビュー+3名それぞれの論稿という三部構成。2013年の本なので、第二次以降の安倍政権への評価などは「当時の時点で」という感じがするが、それもまたおもしろい。政治家へのインタビューのおもしろさが感じられるとともに、世代の異なる政治学者らによる論稿、特に佐藤氏の「政治との距離」の議論は若い世代らしさがあり、とてもおもしろく読んだ。2023/07/11

Haruka Fukuhara

4
御厨・牧原・佐藤、3世代3人による政権交代を受けての共著。一番世代が近い佐藤の論に一番強く違和感を感じるあたり、世代論というのはあまりあてにならない部分が大きい気がしてくる。とは言え20代にしてこうした刺激的な環境に身を置いて磨かれているのは羨ましい。師を持たない人は弟子を教えられない、という言葉はちはやふるの中の一節だったか。自分は師を幅広く古今東西に取ってきたつもりだが、そうは言っても直接的に師と仰ぐ人の近くにいた時期は少なく、その辺りは自分の強みにも弱点にもなり得る気がした。2017/06/25

DBstars

2
座談会パートは東大政治学史的な面もあり、御厨氏の述懐は面白かった。政治家インタビューパートや最後の各氏(特に牧原氏)による論考から見えてくるのが、政治改革の時期にあって宮澤政権が長続きしなかった、あるいは谷垣首相が誕生しなかった構造的背景だった。比べて、今や毀誉褒貶凄まじいが、小泉政権の巧さも際立っている。結局、本書刊行から10年近く経っても政権交代が起こってすらいないというのが、現実は理論を超越するなあと感じる(もっと長い期間で見るべきではあるが)。2022/08/20

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