出版社内容情報
「大津波の瞬間,人々は何を見て,どう行動したのか.津波被災体験を絵で伝え残し,振り返ってもらいます.」大震災からひと月を経て開始された河北新報の連載企画「私が見た大津波」.被災者の一つひとつの経験と見たものを共有し,記憶に刻む,宮城県から75名,「心の現場」の再現記録.[オールカラー]
内容説明
大震災の現場は被災者の数だけある―。発生からひと月を経て開始された「河北新報」の連載企画「私が見た大津波」を書籍化。大津波の被災体験を絵に描き、伝え残す。宮城県から七五編、「心の現場」の再現記録。
目次
電柱なぎ倒し、海沿いの家が迫ってきた―阿部清さん(石巻市門脇町4丁目)
雲?霧?真っ黒い竜巻が立ち上がった―柿沼寿子さん(名取市閖上4丁目)
音もなく引いた波、海の底が姿を現す―白岩洋子さん(石巻市網地浜網地)
川の水、ざーっと滝のように引いた―常山俊明さん(気仙沼市川口町1丁目)
海面、一気に膨れ上がった―田畑ゆう子さん(南三陸町志津川五日町)
玄関から大量の水、胸の幼子じっと耐えた―福地若緒さん(石巻市中屋敷1丁目)
静かに迫る水、力の強さにぼうぜん―堀江長治さん(仙台市若林区新寺4丁目)
間一髪で民家二階へ、そこら中「助けて」の声―川村祐介さん(東松島市大曲下台)
土砂降りの雨雲のような色の波、襲いかかる―近藤賢太さん(気仙沼市長磯浜)
跳ね返った波、高さを増して再び陸へ―三浦千恵子さん(南三陸町歌津町向)〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ikedama99
10
市立図書館から借りた本。見開き1ページにまとめられた東日本大震災での宮城県での大津波の体験談。(河北新報社での連載のまとめとのこと)そして、絵(後半では写真を)つけてもらったとのこと。数字ではない、個々の感じたこと、体験したことなどとその時の絵がやはり迫ってくる。本当に一瞬の差が生と死を分けているような場面もあり、恐ろしさとともに学ぶべきものは何かとも考える。やはり、この震災のことはまだまだ知る、そして生かす必要があると考える。2021/07/24
ブブジ
1
まだまだ忘れられない記憶。車で流されて、気付いたら震災前に亡くなった夫の車が寄り添うように流れ着いて助かったという奥さんの話には涙しました。2015/07/23
hamao625
1
災害の教訓は今後、活かさなければならない。風化してはいけないなと改めて考えます。2013/09/21
ヒラP@ehon.gohon
1
一人ひとりに刻まれたあの大津波の断片。 死や絶望と直面した当事者の記憶と、画像。 客観的に見ていられるのが幸せなのかもしれないと思いました。 2013/08/23
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