出版社内容情報
ナチによる性の抑圧がファシズムとホロコーストを生んだ──この確信が68年の性解放運動の背景にあった.しかし,その想定はそもそも正しかったのか.本書はドイツの性意識の変遷をたどり,性をめぐる言説がナチズムとホロコーストの記憶の塗り替えと深く結びついていることを示す.記憶の重層性と意味形成力を示す労作.
内容説明
本書は豊富な資料を駆使して20世紀ドイツにおける性意識の変遷をワイマル期から現在までたどり、戦後ドイツの性をめぐる言説がナチズムとホロコーストの記憶の塗り替えと深く結びついていることを明らかにする。歴史解釈における記憶の重層性を示し、ナチズムとニューレフトについての一般的な理解をくつがえす労作。
目次
第1章 セックスと第三帝国
第2章 異性愛のもろさ
第3章 正常化への執念
第4章 快楽という道徳
第5章 社会主義のロマンス
第6章 反ファシズムの身体
著者等紹介
ヘルツォーク,ダグマー[ヘルツォーク,ダグマー][Herzog,Dagmar]
1961年生。ブラウン大学(Ph.D.)。現在、ニューヨーク市立大学大学院歴史学教授。専門は近現代ドイツ・ヨーロッパ史
川越修[カワゴエオサム]
1947年生。一橋大学大学院社会学研究科博士課程中退。経済学博士(同志社大学)。現在、同志社大学経済学部教授。専門は社会経済史
田野大輔[タノダイスケ]
1970年生。京都大学大学院文学研究科博士後期課程研究指導認定退学。文学博士(京都大学)。現在、甲南大学文学部教授。専門は歴史社会学
荻野美穂[オギノミホ]
1945年生。奈良女子大学大学院人間文化研究科博士課程中退。人文科学博士(お茶の水女子大学)。現在、同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科教授。専門は女性史・ジェンダー論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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